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 火災、ガス漏れなど、建物内で非常事態があった場合、すぐに脱出できることが最優先課題だ。できることなら飛び降りたくはない。でも一般的な緊急用のはしごなどは、いざというときに設置にまごつくものだ。

 そんな時に最適なのがこの、「Slide to Safety(STS)」という革新的な急速避難システムだ。

 緊急レバーを引くか押すかすると、わずか6秒で壁の外に設置してある器具がブワっと膨らんで、飛行機にあるような滑り台が完成する。

 これを使って安全に地上へと避難することが可能なのだという。このシステムは、2階から4階の窓への設置が可能で、電力を使用しないため、停電時も使用可能だそうだ。

【画像】 緊急レバーを押し引きするだけで安全なはしごがブワッと完成

Rapid Evacuation System By Sliding

 「Slide to Safety(STS)」はあらゆる緊急事態に対応するように設計されている。緊急時にはしばしば電力が失われるが、STSは非電力式であり、停電が起こっても安全に避難することが可能だ。

 この滑り台は建物の2階から4階の窓の外に設置できる。2階から飛び降りるのも勇気がいるが、これなら子供から高齢者まで、安全に地上へ降りることができる。

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コンパクト収納でスペースを削減

 さらにSTSは、普段は器具の内部に織り込まれているため、設置するスペースも少なくて済む。これくらいの大きさならば、移動を妨げることもないだろう。

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6秒で滑り台が完成、1分で30人が避難可能

 STSを作動させるときは、窓の内側に設置されている器具のハンドルを押すか引くかするだけだ。

すると、スライドが突き出て、6秒以内に完全にふくらむ。

緊急避難用の飛び出す滑り台がすごい

 ふくらんだらあとは順番に滑り降りればいい。2階、3階、4階の窓に設置可能で、1分間に約30人を効果的に避難させることができるという。

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設置方法

 STSは、製造会社が認定したエンジニアのみ設置することができる。エンジニアはまず建物に設置できるかどうかを判断し、その建物にカスタマイズされた滑り台の仕様を決める。

 設置後には、安全に避難できるかどうかのテスト、住人らに正しく使用してもらうための安全トレーニングが行われるという。

 STSは、住宅、商業ビル、教育施設など、一階以上の建物の4階まで設置することができる。建物には非常階段や、非常はしごが設置されているものの、万が一に備えた代替え手段として、STSを設置するという選択肢もあるだろう。

 緊急事態が発生したら、いかに早く脱出できるかが被害を最小限に防ぐ鍵となるのだ。というか日本にも似たようなシステムってあるのかな?

References:Slide to Safety - Rapid Evacuation System / written by parumo

 
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6秒で飛び出す滑り台、1分で30人が脱出可能な画期的な急速避難システム