第60回ギャラクシー賞贈賞式(主催:放送批評懇談会)が31日に都内ホテルで開催され、ラジオ部門「DJパーソナリティ賞」を受賞した安住紳一郎TBSアナウンサー(49)が登壇した。TBSラジオ安住紳一郎の日曜天国』(にち10)のパーソナリティとしての活躍が評価されたが、同番組は2005年4月放送開始、現在も安住アナの歯に衣着せぬトークで高い人気を誇っている。贈賞式ではその番組のごとく、華々しい場とは思えぬ毒舌ぶりで場内を大いに沸かせた。

テレビ番組『THE TIME,』『情報7daysニュースキャスター』も担当し“TBSの顔”として活躍、「アナウンサー界の大谷翔平(ラジオとテレビの二刀流)」とも紹介された安住紳一郎アナウンサー

賞状とトロフィーを贈呈された後、マイクの前に立った安住アナは「本当に嬉しいです。ありがとうございます」と喜びを口にした。しかしここから一転、晴れ舞台とは思えないような安住アナのぼやきが続く。

1997年にTBSにアナウンサーとして入社した当時を回顧。先輩たちから「ラジオはもう無くなるだろうから」と常々言われ、ラジオには「なるべく関わらない方がいいな」と思っていたという。それから26年経ち「(ラジオは)無くなりこそはしませんでしたが、本当にいいことはほとんどありませんでした」とまさかのネガティブ発言。特に傷ついたのは、バズることを狙った発言がスポーツ紙で記事になり、それを読んだラジオを聴いていない人たちから批判されて炎上したこと。「心に塗る薬はありません」と安住アナ。それでも「(ラジオは)ただなんとなくずっと続けています。そして『ラジオが好き』と言ってくださる全国の皆さんがいるから、ずっと続けてこられたと思います」とリスナーに感謝を伝えた。

そして「誰とこの喜びを分かち合いたいか」と聞かれると、「TBSラジオを長らく支えてこられて、この賞に届かなかった諸先輩方と喜びたいと思います」とここでも毒を吐き、場内の爆笑をさらった。「がめつい先輩方がたくさんいて、だいたいこれを獲ると、嫉妬の対象になるんですね。まあ私も19年やってきて、いろいろ評価されてきているので、特別今これをもらう必要もないなと思ったんですけど…」と本音をのぞかせながら「(受賞の)枠を増やして欲しい」と願い出た。

さらにこれからも社員アナウンサーを続けるのかと問われると、優秀なアナウンサーがフリーになる風潮があるが、「優秀なアナウンサーこそ局に残ってほしいということで社長といろいろと待遇面などを相談させていただきまして。ぜひ局アナとしてこれからもやっていこうというような話し合いが何年か前にありました。テレビ・ラジオの変革期にドラスティックに関われるのが放送局員という立場でもあるな…と続けておりますが、離職者が相次いでいます」と赤裸々に内情を暴露した。

奇しくも贈賞式の司会は、ジョン・カビラとフジテレビで活躍し今はフリーの長野智子アナウンサーが務めていたが、そんな長野アナも「妙に生々しいですね」とコメント。「ごめんなさいね、晴れがましい席で恨みつらみになっちゃって…」と安住アナ。写真撮影では「素晴らしい賞ですから、笑顔でお願いします」と長野アナから促されていた。
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)

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