アルビノジャイアントパンダの姿が中国で撮影され、大きな話題を呼んでいる。白と黒の模様がチャームポイントパンダだが、今回のアルビノパンダは先天的に色素が欠乏している影響で真っ白な姿をしている。研究者によると、このアルビノパンダは野生では唯一の存在とのことだ。英ニュースメディアMetro』などが伝えた。

アルビノジャイアントパンダが現れたのは、中国四川省にある「臥龍自然保護区(Wolong National Nature Reserve)」だ。同保護区には複数の野生のパンダが生息しており、設置された定点カメラアルビノパンダの姿を捉えた。

アルビノは色素生成に関わる遺伝子の欠損が原因とされており、色素欠乏のために皮膚や体毛などが白色、または淡色となる。今年2月に撮影された映像には、パンダチャームポイントである黒い模様が一切なく、全身が真っ白パンダが映っている。耳や目の周り、体の黒い模様がないためにパンダと認識するのが難しく、白いクマのようにも見える。

このパンダは5~6歳と推定されているが、実はカメラの前に姿を見せたのは今回が初めてではなかった。2019年4月、同保護区の標高2000メートル付近で初めてアルビノパンダカメラに捉えられ、翌月にその写真が公開された。当時はまだ体が小さく、アルビノの特徴の一つである赤い目が確認されていた。

その後、同保護区ではこの珍しいアルビノパンダを観察するために特別チームを立ち上げた。チームの研究員たちはパンダの行動パターンを研究し、姿を見せそうな場所にカメラを設置した。カメラアルビノパンダの姿を捉えたのは、今回が3度目だという。

公開された動画には、アルビノパンダが通常の色をした親子パンダに近づく様子も映っており、親子パンダが拒絶するような行動は見られなかった。また他のパンダに追いかけられたり、一緒に遊んだりする姿も確認されており、体の色が異なっていても同族であることを認識しているようだった。

今回の映像を確認した北京大学生命科学学院生物技術学系の研究員リー・シェンさん(Li Sheng)によると、野生のアルビノパンダは世界に1頭しか存在しないという。「今のところ、白いパンダは自然環境の中で他のパンダと上手く過ごしていることが分かりますアルビノ遺伝子が、同エリアパンダの集団の中で遺伝していくかどうかは不明ですので、追跡調査が必要になります」とリーさんは述べている。また今回姿を見せたアルビノパンダは、前回よりも体が大きく成長しており、健康上の問題はないと研究者らは考えている。

なお自然保護団体「World Wildlife Fund」によれば、野生のジャイアントパンダは中国南西部を中心に生息しており、現在は1864頭が確認されているという。

真っ白な姿をしたユニークパンダの映像は、ネット上で大きく拡散されており、「なんて可愛いの!」「やっぱり自然は素晴らしいね」「健康そうでよかった」「シロクマかと思ったよ」など多数のコメントが寄せられている。

画像は『Xi’s Moments 2023年5月27日Facebook「The first-ever front face images of a wild albino giantpanda were released by the Wolong National Nature Reserve Administration on Saturday.」「The administration first released the image of the albino panda in May 2019」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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