大谷にいずれも特大の2ホーマーを許したリン。試合後に彼の口から洩れたのは己の投球に対する後悔の言葉だった。(C)Getty Images

 さしもの名投手も悔しさがこみ上げるほどの一発だった。

 現地5月31日に行なわれたホワイトソックス戦に「3番・DH」で先発出場した大谷翔平エンゼルス)は、第2打席と第3打席にそれぞれ豪快な2ランを記録。3打数2安打(2本塁打)4打点と図抜けた活躍を見せた。

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「打球音がヤバすぎる」「スイングスピードが異次元だ」

 そんな反響が相次いだ2発を放った大谷。いずれも彼のおよそ投手のそれとは思えない規格外のパワーを見せつけるものとなったわけだが、どちらも打たれたのはホワイトソックスのベテラン右腕ランス・リンだった。

 メジャー通算127勝を挙げている35歳は、大谷を第1打席こそセンターフライに打ち取っていたが、3回の14号はセンター、4回の15号はライトスタンドの中段にまで運ばれた。いずれも強気に内角を攻めていった93マイル(約150キロ)台の4シームを捉えられたものだった。

 初回にはマイク・トラウトにも飛距離461フィート(約140.5メートル)というビッグアーチを打たれ、4回(89球)、四死球4、8失点という内容で降板したリン。先発としてゲームメイクの役割を担えなかった35歳は、試合後に地元紙『Chicago Sun Times』などの取材に対して「3スイング(トラウト1発、大谷2発)で6点も失った」と自らの投球を嘆いた。

「ああいうことは絶対にやっちゃいけないんだ。とくにあの二人に対してはね。(エンゼルスの中で)絶対打たれちゃいけない二人なんだよ。今日は攻撃陣にも負担をかけてしまった。俺はもっと良くならなければならないし、もっと効率よく投げてアウトを取らなければならない」

 この試合まで12登板で4勝(6敗)、防御率5.83、FIP4.71と精彩を欠いていたリン。そうした状況下で「打たれてはいけない相手」に連弾を浴びたベテランは「才能だけでは勝てない。もっとどうすれば良くなるかを日々考えていかないと……」と唇をかみしめるのが精いっぱいだった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「才能だけでは勝てない」特大2発を浴びたホワイトソックス右腕が漏らした本音。大谷翔平は「絶対に打たれちゃいけない相手」