吉井監督は山口の4番起用について「本塁打の可能性が一番高い打者なので走者がたまりやすい打順のところに置いている」と語っている(C)Getty Images

 怪我から戻ってきた山口航輝が、復帰3試合目で一発を放って見せた。

 4月28日オリックス戦(京セラドーム大阪)の試合後に左大腿二頭筋損傷と診断され、翌29日に登録を抹消。5月28日に一軍復帰したばかりだった。

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 開幕4試合目から4番に起用された山口だが、離脱前は一時打率が2割を切るなど打撃に苦しんできた。それでも今季から指揮官に就任した吉井理人監督が我慢強く使い続けてきた。

 ロッテには確固とした大型打者がいない。中軸を張ることができる安田尚憲も中距離打者としての適性が高く、外国人打者も巨人から移籍したポランコだけ。昨季も日本ハム時代に本塁打王となっているレアードをはじめ、マーティン、エチェバリアメジャー経験をそろえたが、打撃が振るわず3人とは契約延長をせずバッサリと自由契約にした。

 吉井監督が「4番山口」にこだわっていた理由は「本塁打の可能性が一番高い打者なので走者がたまりやすい打順のところに置いている」からだ。

 昨季、チーム内で最も打ったのが山口で計16本だったが、自身が掲げた30本塁打の目標には遠く及ばなかった。主軸を張るには最低でも20発は必要だろう。ロッテから輩出された本塁打王1986年落合博満が最後。生え抜きの和製大砲を育てるのがチームの悲願でもある。

 山口はプロ5年目。大阪市出身で秋田・明桜高(現・ノースアジア大明桜高)から2019年にドラフト4位で入団した。昨季までは長打力とともに俳句がクローズアップされた。

 13歳の時に「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」に佳作特別賞で入選。1軍デビューした2021年からは打のヒーローになるたびに自作の俳句や川柳を披露してきた。今年1月にはTBS系のバラエティー番組「プレバト!!」に出演し、芸能人らとの俳句創作バトルにも初チャレンジした。

 自身の名前をプロ野球ファンの間に浸透させるためには、一定期間、自身のキャラクターをアピールすることも必要だ。だが、本業はあくまで野球、今年は得意の俳句も封印、強打者に脱皮すべく、打撃一本で臨んでいる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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