絶滅危惧種に指定され、赤茶色でフワフワの被毛と縞模様の尻尾を持つレッサーパンダが5月下旬、イギリス動物園から逃げ出した。レッサーパンダが向かったのは美味しい果物や野菜が並ぶ青果市場で、スタッフの機転により無事保護されたという。英ニュースメディア『The Independent』などが伝えている。

コーンウォールにある「ニューキー動物園」で5月26日、生後11か月のメスのレッサーパンダ“サンダラ(Sundara)”が逃げ出した。

サンダラの脱走に最初に気付いたのは、同園から約800メートル離れた青果卸売業者「フレッシュポイント(Freshpoint)」のスタッフで、マネージャーのガレスさん(Gareth)は当時のことをこう振り返る。

「荷下ろし作業のスタッフが『レッサーパンダが道路を歩いてくるのが見える』と叫んでね。私は『ただ大きくて、変わった色の猫ではないのか?』と半信半疑だったけど、それは確かにレッサーパンダだった。それも1匹だけで道を歩いていて、世話をしている人の姿は見当たらなかったんだ。」

フレッシュポイントは動物園に動物の餌を届けているため、スタッフはその個体がレッサーパンダであるとすぐに分かったという。そしてリンゴと洋ナシが置かれている屋台のすぐそばをうろつき、お腹を空かせた様子だったためリンゴを与えてあげたそうだ。

そしてしばらくすると、レッサーパンダは店と反対側の中庭に侵入したため、ガレスさんは午前7時10分頃、デボン&コーンウォール警察に通報した。

「警察は最初、からかっていると思ったみたいでね。でも現場にやって来ると、しっかり対処してくれたよ」と語るガレスさん。スタッフはその後、警察官と一緒に中庭の入り口を塞いでレッサーパンダが出られないようにし、動物園のスタッフの到着を待った。

レッサーパンダは、可愛い外見とは裏腹に獰猛で気性が激しいそうで、動物園のスタッフはネットを使って捕獲したものの、サンダラが車に大人しく乗ることはなかったようだ。

サンダラがどのような経路で逃げ出したのかは明らかにされていないが、サンダラは5月初めにノーフォーク州のバナム動物園からやって来たばかりの新入りだったという。ニューキー動物園には2019年にフランスのトゥーロパルク動物園からやって来たメスのレッサーパンダセレンSeren)”が暮らしており、サンダラはセレンの遊び相手として迎えられたのだった。

なおこのニュースには、「可愛い!」「なんて愛くるしいの!」「ゴージャス!」「無事で良かった」「青果市場だなんて、出没した場所が良かったわね」「あのまま放置されていたら、長くはもたなかっただろうね。カモメに見つかったら命はなかったわ」「どうやって逃げ出したのかしら?」「引っ越ししてきたばかりなのに…。動物園はしっかり管理しないと!」といったコメントが寄せられている。

ちなみに野生のレッサーパンダの主食は竹や笹で、動物園で飼育されている個体はリンゴやバナナなどの果物もよく食べるという。また「世界自然保護基金」によると、現在の生息数は1万頭以下で、絶滅危惧種に指定されているそうだ。

画像は『Metro 2023年5月30日付「Red panda escapes Newquay Zoo to go on a trip to the fruit market」(Picture: Freshpoint)』『The Mirror 2023年5月30日付「Red panda gives locals a shock by going on walkabout through streets of Newquay」』『Love Newquay 2023年5月4日付Facebook「Find shelves bursting with vibrant fresh fruit and veg」』『The Independent 2023年5月30日付「Police called after escaped red panda wanders half a mile to snack on apples」(Chris / Freshpoint Newquay)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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