レアル・マドリード所属の元フランス代表FWカリム・ベンゼマに、サウジアラビアへの移籍に近づいているようだ。5月31日スペイン紙『アス』が伝えている。

 2009年夏の加入以来、“白い巨人”の前線の主軸として、数々のタイトル獲得に貢献してきたベンゼマ。ここまでの通算得点数は「353」を数え、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現:アル・ナスル)に次いで、クラブ歴代得点ランキングの単独2位につけている。在籍14年目の今シーズンは、度重なる負傷離脱がありながらも、ここまで公式戦42試合の出場で30ゴール6アシストをマーク。昨年には自身初のバロンドールに輝いた。

 そんなベンゼマレアル・マドリードとの現行契約は6月30日で満了に。3月にはフランス紙『レキップ』が、1年間の契約延長で合意に達したと報じたものの、依然としてレアル・マドリードからの正式発表はなく、去就は不透明となっている。そんな中、ベンゼマに対しサウジアラビアのクラブから4億ユーロ(約600億円)相当の2年契約オファーが届いたことが判明。選手本人もオファーの受諾を検討していると報じられた。

 今回の報道によると、ベンゼマの獲得を狙っているのは、今シーズンのサウジプロフェッショナルリーグを制覇したアル・イテハドだという。同クラブはベンゼマ獲得に向けて、サウジアラビア政府の力を借りていると見られており、この度は年棒1億ユーロ(約150億円)以上という破格の条件を提示した模様だ。ベンゼマ本人は、かつての同僚であり現在はサウジアラビアプレーしているC・ロナウドに対し、同国のリーグや生活について意見を求めたとも伝えられている。

 交渉は合意に近づいており、現在はベンゼマレアル・マドリード側の最終的な決定を待っている状態だという。移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、現時点で最終的な決定は下されていないものの、アル・イテハド側は交渉の行方を楽観視しているようだ。なお、ベンゼマは現地時間1日木曜日に、レアル・マドリードカルロ・アンチェロッティ監督やフロレンティーノ・ペレス会長と会談を行う予定だという。

去就に注目が集まるベンゼマ [写真]=Getty Images