スシローくら寿司はま寿司かっぱずしのラーメンを食べ比べて、最強のラーメンを探してみた!

 いまや回転寿司のお店でラーメンは当たり前に提供されていますが、もともとは2012年に初めて『くら寿司』がラーメンの提供を始めたのがきっかけ。それから10年以上が経過し、くら寿司以外の回転寿司のチェーン店でも、ラーメンは定番メニューとして定着しています。まさに「回転寿司ラーメン」戦国時代と言えるでしょう。

 筆者も回転寿司に行くと、けっこうな頻度でラーメンを頼みます。汁物であることと、お腹もふくれるので、〆の一品としては最高なのです。しかも、大体500円以下とかなり安いのも魅力。いまや1000円超えのラーメンも珍しくないですからね。

 そうしていろんな回転寿司屋でラーメンを食べていると、各社のこだわりが見えてきます。例えば醤油ラーメンにものすごく力を入れているお店もあれば、逆に期間限定で味を変えたラーメンを提供する店もある…といった具合。でも、一体どのチェーンのラーメンが一番おいしいのでしょうか?

 というわけで今回は、回転寿司の大手4チェーン、つまり『くら寿司』・『スシロー』・『はま寿司』・『かっぱ寿司』のラーメンを食べ比べ、最強の「回転寿司ラーメン」を実食調査することにしました。

【食べ比べ内容】
くら寿司
「7種の魚介 追いかつお醤油らーめん」(420円)、「胡麻香る担々麺」(450円)

スシロー
「コク旨まぐろ醤油ラーメン」、「濃厚えび味噌ワンタンメン」(共に380円)

かっぱ寿司
「コク旨醤油ラーメン」、「鯛スープの塩ラーメン」(共に429円)

はま寿司
辛味噌とんこつラーメン」(506円)

 いずれも2023年5月時点でのメニューで、定番のラーメンを比較。ただし『はま寿司』は定番のラーメンが存在しないため、期間限定の「辛味噌とんこつラーメン」を実食します。

旨みの暴力! くら寿司の「7種の魚介 追いかつお醤油らーめん」

くら寿司の「7種の魚介 追いかつお醤油らーめん」420円。かつお節のトッピングがついてくる
くら寿司の「7種の魚介 追いかつお醤油らーめん」420円。かつお節のトッピングがついてくる

 前述の通り、2012年からスタートした『くら寿司』の醤油ラーメンは回転寿司ラーメンの始祖とも言える存在。10年の歴史の中で改良を重ね続けているわけなので、これは期待できますね。くら寿司には醤油と担々麺、2つのラーメンがありました。

 まず頼んだのは「7種の魚介 追いかつお醤油らーめん」(420円)。かつお節のトッピングがついてくるのが特徴です。鼻を近づけると、ダシのいい香りがふわっと漂います。そこに付属のかつお節を投入すると、ダシの香りがさらに強まり、ものすごく食欲がソソられます。

麺ももちもちでスープとの辛味も申し分なし
麺ももちもちでスープとの辛味も申し分なし

 いざ、実食。ダシによく絡んだモチモチの太麺がたまらなくおいしい……! ダシの香りと旨み、そして麺の小麦粉の旨味がダブルで襲いかかってきます。まさに旨味の暴力! トッピングでついているネギもしっかり辛味があって、アクセントも効いています。最後まで飽きることなく楽しめました。

スープ    ★★★★☆
麺      ★★★★☆
ボリューム  ★★★☆☆
価格     ★★★☆☆
総合     ★★★★☆

ごまの旨味が奥深い! くら寿司の「胡麻香る担々麺」

くら寿司の「胡麻香る担々麺」450円
くら寿司の「胡麻香る担々麺」450円

 次に食べた定番メニューは、2017年に登場して以来、多くのファンを魅了する担々麺。筆者もくら寿司に行くと必ず食べるメニューです。

 くら寿司担々麺の特徴は、なんといっても辛味と太麺のバランスの良さにあります。コクの深いスープに太麺がしっかり絡まるんです。麺をすするともう止まりません。箸を休めることなく一気に食べられる吸引力に満ちた一杯でした。

スープ    ★★★★☆
麺      ★★★★☆
ボリューム  ★★★★☆
価格     ★★★☆☆
総合     ★★★★☆

回転寿司の王様『スシロー』はまぐろ推し!?

スシローの「コク旨まぐろ醤油ラーメン」380円
スシローの「コク旨まぐろ醤油ラーメン」380円

 さて、お次は『スシロー』の「コク旨まぐろ醤油ラーメン」(380円)を実食。まぐろのカツがトッピングでついているのが特徴です。

 いざいただいてみると、スープに奥ゆかしいコクがあります。麺は中太ストレート。これまたつるつるしこしこで実に旨し。そしてトッピングのまぐろカツが実にいい仕事をしています。まぐろの旨みがぶわっと広がり、これまたスープと合う!

 優しいスープに強い味のまぐろカツ。食べ手を飽きさせない工夫を感じました。

スープ    ★★★☆☆
麺      ★★★☆☆
ボリューム  ★★★★☆
価格     ★★★★☆
総合     ★★★☆☆

スシロー「濃厚えび味噌ワンタンメン」は香りがスゴい!

スシローの「濃厚えび味噌ワンタンメン」380円
スシローの「濃厚えび味噌ワンタンメン」380円

 さて、『スシロー』にはもう一品、ラーメンがあります。それが「濃厚えび味噌ワンタン麺」です。エビと味噌の香りが混ざり合ったスープは、香りからしてものすごくリッチ。もちろん、香りだけでなく味も秀逸。スープと麺を口に運ぶと、濃厚な味噌と中太麺がしっかりマッチして実に美味しいです。

なんといってもワンタンがすごい! 
なんといってもワンタンがすごい! 

 そして、主役のワンタンがとにかく旨い。ワンタンの皮を破ると、凝縮されたエビの旨味がドバッとあふれだします。コク旨まぐろ醤油ラーメンと同じく、トッピング力が高いラーメンです。

スープ    ★★★☆☆
麺      ★★★☆☆
ボリューム  ★★★☆☆
価格     ★★★★☆
総合     ★★★★☆

老舗『かっぱ寿司』は昔ながらの醤油ラーメンで勝負

かっぱ寿司「コク旨醤油ラーメン」429円
かっぱ寿司「コク旨醤油ラーメン」429円

 回転寿司界でも老舗に当たる『かっぱ寿司』。こちらの醤油ラーメンは、どことなく懐かしさを感じられるノスタルジックな味わい。醤油のまろやかな旨味あふれるスープに、中太ストレート麺。まさに「毎日でも食べられるラーメン」といった感じ。心が落ち着きます。

 ラーメン単体で見ると、ややパンチ力に欠けるきらいもありますが、お寿司をさんざん食べたあとに、この優しいラーメンがちょうどいい、という人も多いと思います。

スープ    ★★★☆☆
麺      ★★☆☆☆
ボリューム  ★★☆☆☆
価格     ★★☆☆☆
総合     ★★☆☆☆

すまし汁のような安定感! かっぱ寿司の「鯛スープの塩ラーメン」

かっぱ寿司「鯛スープの塩ラーメン」429円
かっぱ寿司「鯛スープの塩ラーメン」429円

かっぱ寿司』の2品目は「鯛スープの塩ラーメン」。その名の通り、鯛のインパクトが強い一品です。まず、ラーメンのフタをパカッと開けた瞬間の鯛の香りがスゴい! すまし汁のような格調高い魚介の香りに一気に包まれます。

 ラーメンは、鯛の塩スープが上品で、食べ進めるほどに心に安寧が訪れる…そんな滋味深い味わいです。“ザ・雅なラーメン”といった雰囲気で、お寿司との相性も抜群でした。

スープ    ★★★★★
麺      ★★☆☆☆
ボリューム  ★★☆☆☆
価格     ★★☆☆☆
総合     ★★★☆☆

気合いが違う!? 専門店に匹敵するウマさの『はま寿司』のラーメン

はま寿司「辛味噌とんこつラーメン」506円
はま寿司辛味噌とんこつラーメン」506円

 最後にご紹介するのが、『はま寿司』の「辛味噌とんこつラーメン」。他のチェーンとは異なり、期間限定のラーメンです。

 なぜ定番がないのかというと、『はま寿司』はラーメンを時季ごとに入れ替えるのが特徴だからです。なんでも“ラーメン部長”との異名を持つ商品開発部の部長さんが、ラーメンに並々ならぬ情熱を傾けているらしく、まさに専門店にも負けない本格ラーメンを出しているのです。

回転寿司チェーンのラーメンにはレンゲがついてこないが『はま寿司』のにはついてくる
回転寿司チェーンのラーメンにはレンゲがついてこないが『はま寿司』のにはついてくる

 筆者は今回、初めて『はま寿司』のラーメンを食べたのですが、噂に違わぬウマさでびっくりしました。まず、他のチェーン店と異なり、レンゲがついてきます。「スープも堪能してください」というおもてなしの心からして違います。

 そうして味わうスープは、赤味噌・白味噌・北海道赤味噌をブレンドし、野菜の旨味と甘味が光る濃厚な味噌とんこつ唐辛子の辛味もピリリと感じる、濃厚かつ旨味たっぷりの一杯。

 また、トッピングの半熟卵とチャーシューも優秀で、どちらも口に入れた瞬間にわかる感動的な美味しさ。聞くところによると、開発部長みずから全国のラーメン店を巡って新たなラーメンを作っているそうですが、さすがの一言です。

細麺が
細麺が

 麺も本当においしいです。細麺で小麦粉の旨みが残っていて、プリップリ。ラーメン専門店に匹敵する本格的な味わいでした。

スープ    ★★★★★
麺      ★★★★★
ボリューム  ★★★★★
価格     ★★★☆☆
総合     ★★★★★

最強の回転寿司ラーメンは、ズバリ『はま寿司』に決定!

『はま寿司』の一杯は、麺・スープ・トッピングに至るまで手抜かりなしの美味しさ(食楽web)
はま寿司』の一杯は、麺・スープ・トッピングに至るまで手抜かりなしの美味しさ(食楽web)

 というわけで、回転寿司チェーン店7種類のラーメンを食べ比べたわけですが、圧倒的に美味しかったのは『はま寿司』の「辛味噌とんこつラーメン」でした。スープ・麺・トッピングのレベルが格段に高く、ラーメン愛がひしひしと感じられる一杯でした。

(取材・文◎中たんぺい)

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