
アメリカ・カリフォルニア州では、昨年末より記録的な豪雨に見舞われ、その後も大雨により多くの家が浸水する事態となっている。
今年4月、洪水で家を失ったとみられる1匹の犬が、近所の家の玄関で必死に助けを求めている姿が目撃された。
犬は、ドアをノックするような仕草までしていて、見た者の心を痛めたようだ。
最終的に、犬の救済施設に連絡が行き、犬は無事に保護された。現在は、新たな飼い主のもとで、幸せに暮らしているという。
カリフォルニア州オレンジ郡アリソ・ビエホにある「Logan’s Legacy dog rescue(ローガンズ・レガシー犬救助活動)」創設者のシュゼット・ホールさんは、近所のドアをノックするボロボロの犬の話を聞き、心が締め付けられる思いだったという。
実は、ホールさん自身も、南カリフォルニアで起きた洪水被害で自宅を失い、ホテルに避難を余儀なくされていた状況だったのだ。
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そこで、ビション・フリーゼのミックス犬についてのメッセージを受け取った後、ホールさんはその犬の元の飼い主を見つけてあげたいと思った。
連絡をしてくれた人によると、ひどい暴風雨があった後、犬は1週間ほど前から居場所を求めて近所をうろついていたという。
いくつかの民家を訪ね、その玄関先でたたずみ、助けを求めてドアをノックするような仕草をすることもあったそうだ。
ホールさんは、4月に施設のFacebookでこの1件をシェアし、次のように綴った。
そのメス犬は、1週間前にも同じ通りで目撃されました。
民家の玄関先まで行き、ノックをするようにドアを引っかいていたようです。家を失った犬のことを思うと、私の心は痛みました。
飼い主が名乗り出なかったため犬を保護
SNSに投稿すれば、犬の元の飼い主が見つかるだろうとホールさんは考えていた。だが、残念なことに誰も名乗り出てこなかった。
洪水で家が崩壊していたとしたらそれどころではなかったのだろう。
そこで、洪水被害で破損していたバンが修理されるとすぐに、ホールさんは友人のロザリオの助けを借りて、犬を探しに行った。
犬は、とある家のベランダにいた。
ホールさんは、ホットドッグで罠に誘い込もうとしたが、とても怯えていて、近寄ってこなかった。 その時の様子を、ホールさんはこのようにFacebookでシェアした。
彼女は、ただ座って震えるだけでした…通りを少し走って玄関先に戻りました。
その後、ホールさんは「大丈夫よ」と根気よく犬に話しかけた。すると、犬はホールさんの言葉を理解したようで、心を開いた。

犬を撫でることができたホールさんは、リードをつけて車に乗せると、犬は安心したのかすぐに眠りに落ちたという。
その後、ニッキーと名付けられた犬は、動物病院で診察を受けた。
薄汚れてボロボロになった毛並み以外は特に健康上の問題を抱えておらず、ホールさんはニッキーを友人の店に連れて行き、グルーミングをお願いした。
ニッキーに新しい飼い主が見つかる
さっぱりと小綺麗になったニッキーを見たホールさんは、きっとすぐに飼い主が見つかると確信した。
そしてそれは、すぐに実現した。短期間の里親養護施設での滞在を経て、ニッキーは家を見つけることができたのだ。
ミッシー・シムズさんはホールのFacebookへの投稿で、ニッキーが養子となり名前が変更されたとコメントした。
シムズさんは、次のように書いている。
今日、正式に養子縁組しました! 彼女の名前は、希望と再生を意味するリリになります。
明日、リリと彼女の新しいお母さんの写真を送ります!
リリを救ってくれてありがとう。そして、この小さな迷子犬に、新しい永遠の飼い主を与えてくれて、安全で愛情に満ちた素晴らしい家にたどり着くようにしてくれたサンディエゴの救済施設「アリックス・セカンド・リーシュ・オン・ライフ」に感謝します!
References:Stray Dog Scratches On Doors In Neighborhood Asking For Help/ written by Scarlet / edited by parumo

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