「ここは農道です」とか「広域農道」などと表示されている道路があります。広域農道は特に、多くが立派な走りやすい道路で、一般的な道路と見分けがつかない場合も。走ってもいいのでしょうか。

農道ってなんだ? 広域農道はだいたい立派な道

片側1車線以上で比較的広い快走路を走っていたら、「広域農道」という看板が出てきた――そんな経験を持つ人がいるかもしれません。なかには、「農耕車優先」などの看板が立っているケースもあります。

こうした農道は、地図上でも、国道や都道府県道のように目立つ描き方になっていないことがほとんどです。本来、一般車が走ってもいいのでしょうか。

結論からいうとOK。実際、広域農道の整備目的に「国道の迂回路」としての効果をうたうケースもあります。ある農道の管理者によると、農道も一般の道路と同じように道路交通法などが適用されるとのこと。信号や道路標識なども一般の道路と同じように設置されています。

一般的な道と農道との違いは、ひとつには整備の根拠となる法律の違いがあります。前者は道路整備を目的とした道路法に、後者は農地を整備するための土地改良法に基づきます。つまり農道は、あくまで農業振興のために設けられた道路というわけです。広い地域を一帯的に結びつけ、大型農業機械を導入しやすくしたり、集荷や出荷の効率化を図ったりするための“立派な農道”、その代表が広域農道といえます。

さらにいうと、道路交通法には「農耕車優先」という規定はありません。あくまで農業が主眼であり、低速の農耕車が走ることから、一般車に対する注意喚起の意味で看板を設置したりするそうです。農道は、普通に走るうえでは一般の道路とほとんど変わらないものの、農道ならではの特徴もあるといえるでしょう。

新潟県長岡市の広域農道1号線。並行する川沿いの道より直線的で、スマートICの主要なアクセス路にすらなっている(乗りものニュース編集部撮影)。