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 パンダトレードマークと言えば白に黒の模様だが、世界で1頭しか確認されていない白いパンダが、最近カメラにとらえられた。

 アルビノの白いパンダ2019年4月に初めて確認された。それ以来、姿を見かけなかったが、このほど中国四川省の臥龍自然保護区に仕掛けられたカメラに、元気そうな様子が映し出されていた。

 推定年齢は5~6歳とされる白いパンダは、ただ元気な姿を見せてくれただけでなく、もしかしたら母親や妹か弟かもしれない白黒のパンダと一緒にいるところも目撃されている。

【画像】 世界で唯一の白いパンダ

Rare white giant panda spotted in China

 ユネスコ世界自然遺産にも登録される中国「四川省ジャイアントパンダ保護区」は、絶滅危惧種ジャイアントパンダの3割が生息している、パンダの楽園だ。

 その一角にある「臥龍自然保護区」にはおよそ150頭のジャイアントパンダが生息しているが、その中にたった1頭だけ世にも珍しい全身が真っ白パンダがいる。

 2019年に定点カメラによって撮影されたそのパンダは、毛並みも爪も白く、目は赤かった。

 どうやらアルビノ(先天性色素欠乏症)であるらしく、パンダという動物から連想されるオセロのように白黒の毛並みはない。

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 その原因は遺伝子の変異のせいで、皮膚・目・毛に色をつけるメラニン色素をうまく作れないことだと考えられている。

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4年ぶりに元気な姿を見せてくれた白いパンダ / image credit:Wolong National Nature Reserve

4年ぶりに元気な姿を確認

 アルビノ生き物は秘的で美しい白さがあるだけでなく、色素がないことによる障害や病気にかかりがちだ。

 この白いアルビノパンダが定点カメラに映ったのは4年ぶりのことだが、現在、5歳~6歳と見られるパンダが何らかの病気に罹っている兆候は今のところなく、順調に成長しているという。

 また仲間たちともすっかり馴染んでいる様子だ。

 2月に撮影されたというその映像には、白パンダが2歳くらいの子供を連れた母パンダとのんびり過ごす様子が映し出されている。

 ちなみに中国ジャイアントパンダ保護研究センターの専門家の説明によると、臥龍自然公園のパンダは2月末になると発情期を迎え、子連れのメスは非常に攻撃的になるのだという。

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 ところが映像の母パンダは落ち着いているように見える。このことから白パンダの母親である可能性もあるそうだ。だとすると、一緒にいた子供は妹か弟ということになる。

白いパンダの子供もやはり白いのか?

 今回、定点カメラは、白パンダがほかの仲間たちと交流する姿を十数回とらえていたとのこと。

 なお白パンダが男の子なのか女の子なのかは、まだよくわかっていない。

 現在5~6歳とされるこの子も、体はすでに大人の大きさで、性的に成熟してきた兆しが見られるとのこと。

 では、もしもアルビノパンダが子供を作ったとき、その子供もまた白いのだろうか?

 これについては専門家もわからないそうだ。研究者たちは、この白いパンダのことをもっと知るために、これからも撮影を続け、DNAも採取したいと考えているという。

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 なお、色違いジャイアントパンダと言えば、中国には白黒ではなく白と茶色の珍しい毛色をしたチーザイ(Qizai)もいる。

 チーザイは、2005年に最初に認識されたジャイアントパンダの亜種とされ、茶色と白色の毛皮に加えて、四川省の亜種よりもより小さくて丸い頭蓋骨と短い鼻が特徴だ。

 現在14歳となったチーザイは陝西省の仏坪(フォーピン)自然保護地区で元気に暮らしているそうだ。

References:Unique Albino Panda Spotted in China, Sans Eye Mask : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo

 
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世界で唯一とされる白いアルビノパンダは元気に暮らしていた。最新映像が公開される