アメリカではキリスト教信者の割合が2021年時点で63%と言われているが、そのバイブルである聖書が、ユタ州の一部学区の小中学校で禁止となった。
その理由は、聖書の内容が、性や暴力的描写をを含んでおり子供たちに不適切であると、ある親が訴えたことを受けての措置だ。
これにより、ソルトレイクシティの北に位置するデイビス学区の子供たちは、高校生になるまで聖書を利用できなくなった。
ユタ州では、2022年、わいせつで暴力的な書籍を有害図書として、小中学校から排除する法案を可決しており、年齢に適した本についての保護者の意見を考慮する方針をとっている。
この法律が発効してからわずか5か月で、保護者たちは250を超える本の排除要求を提出し、特定の本を学校から取り除くよう陳情してきた。
ユタ州は保守的な州で、これまで性的指向や性自認に関する本も有害図書として排除してきた。そしてついに聖書である。
保護者の陳情により聖書が禁止に
デイビス学区は、2022年3月に一人の保護者から聖書の審査を求める陳情を受け取った。その陳情書によると、「聖書はわが子にとって下品で暴力的である」と書かれており、不適切と思われる聖書の箇所が8ページにわたって指摘された。
これを受け、委員会ではすでに、学校の書棚にあった聖書7~8冊を撤去したと発表した。
なお、この措置を決定した学校区委員会は、聖書を禁止する理由を説明せず、また聖書を取り除く決定的な要素となった箇所についても言及していない。
この措置に賛否両論
この決定には、賛否両論の意見が寄せられている。
子供たちにはまだ聖書のエピソードが正しく理解できないとし、この決定を支持する声がある一方、聖書の教えが子供たちの道徳教育に欠かせないとの意見もあった。
デイビス学区は、小中学生が全学年を通じて72,000人以上いる。
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年齢に適した教材についての判断は、文化的背景や規範に大きく左右されるため、一概に正解を出すことは困難だ。またアメリカは州によって独自の州法があり、その判断も大きな違いがある。
ちなみに2019年、テネシー州にあるカトリック系の学校では、「シリーズの中に出てくる呪文は本物で悪霊を呼び起こす力がある」として、ハリーポッター全7巻が校内図書館から撤去されている。
References:Utah district bans Bible in elementary and middle schools 'due to vulgarity or violence' / Utah district bans Bible in elementary and middle schools 'due to vulgarity or violence' | Fox News / written by parumo
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