
アメリカ、メイン州には狼犬(ウルフドッグ)のための保護施設がある。もともとペットとして飼われていた狼犬の場合、一般的な動物保護施設では受け入れてもらえないことが多い。
そこでサラ・ハナフィンさんは、受け入れ先のない狼犬たちのための保護施設「ウルブズ・オブ・メイン(Wolves of Maine)」を作った。
飼い主を亡くし、母親と弟と共にこの施設にやってきた狼犬のトラブルは、体重72.5kgと巨大だが、心はマシュマロのようにふわふわしていて、犬にもニンゲンにもやさしい子なのだという。
160-pound wolf dog is obsessed with this woman
狼犬(ウルフドッグ)はイヌとオオカミの交雑犬、もしくは交配された大型犬種である。身体的な特徴は掛け合わされた犬種により異なり、個性豊かでその性格は個体によって大きく異なる。
飼い主がしっかりとしつけをし、敬意と愛情が保たれていれば、飼い主に忠実で、むやみに人や動物を襲ったりすることはないといわれている。
それでも野生の血が混じる狼犬は、一般的な動物保護施設では受け入れが難しいようだ。
そこでメイン州に元ペットの狼犬たちを専門に受け入れる施設「ウルブズ・オブ・メイン(Wolves of Maine)」を作ったのがサラ・ハナフィンさんだ。
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体は大きいが心も広い狼犬のトラブル
飼い主が亡くなり、母親と弟と共にやってきたトラブル(オス)という名の狼犬は、体重が72.5kgと巨大ながら、甘くふわふわなマシュマロのような犬なのだという。
初めて会う人々に対しては警戒心を持つものの、一度心を許すと、フレンドリーで従順になり、その信頼関係は揺るぎないものとなるそうだ。
彼は他の仲間たちのために食べ物をチェックしたり、この施設に訪れる人全員にあいさつをするという。

狼犬はやはり普通の犬とは違う
外見がオオカミに近い狼犬をペットにしたいという人は少なくないが、一般的な飼いならされた犬とは違う。そのことをよく理解しておかないと、飼いきれなくなってしまう。
サラさんは、狼犬と友情を結ぶことで報われるが、それは大変な仕事であると語っている。
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狼犬の中には野性の血が色濃く残っている個体もいるため、飼いきれなくなった狼犬が彼女の施設に預けられるという。
サラさんは、狼犬たちの信頼を得るためには、「群れのリーダーになろうとするのではなく、尊重を築くこと」であると説明する。
私たちの仕事は、彼らに愛と思いやり、信頼を示すことです。彼らは群れで暮らす社会的な動物です。
彼らが私たちがつくる群れに所属しているという意識を持ってもらい、それに応えるべく私たちは彼らに安全な場所を提供しているということを示すことが大切です
サラさんは、特に狼犬と真の信頼関係を結ぶためには、自分のエゴを脇に置いて、ただ彼らに愛と思いやりを示すことを学ぶ必要があるという。
私たちは人間もこの世界に所属していると感じ、理解されたいと思っています。狼犬も同じです。彼らは私たちに、強く、力強くあるためには、優しさと思いやりも必要であると教えてくれます。真の強さは優しさにあるのです
狼犬は野生味が強いために警戒心は強いが、自然環境で生存しようとする本能から、仲間と認めた者とは極めて良好な信頼関係が築かれる。
その結びつきの強さは、イエイヌとして長い歴史をもつ他犬種よりはるかに強いとされる。その信頼を勝ち得るには強さの中にある揺るぎない愛情とやさしさなのだ。
ウルブズ・オブ・メインの狼犬たちの日常はInstagramのアカウント「wolfgirl_maine」で見ることができる。

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