阪神の”アレ”のためには、西(写真)と青柳の復活が求められる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神の勢いが止まらない。

 現在34勝16敗2分けで、2位のDeNAと5.5ゲーム差をつけ、首位陥落の気配は全く感じさせない。シーズン前に阪神をAクラスと予想する野球解説者は多かったものの、ここまでの圧倒的な展開を考えていた人はあまりいないのではないか。改めて、なぜ阪神はこれほどまでに強いのか、現役時代にヤクルトや巨人で活躍したアレックス・ラミレス氏が、自身のYouTubeチャンネルでその要因を解説した。

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 まず打撃面について、1番から6番までの調子の良さ、さらにはリーグ2位のチーム得点圏打率.276を誇る勝負強さを評価。打者個々人の話題では、近本光司出塁率.426、リーグトップの四球34という理想的なトップバッターとしての活躍を挙げる。4番の大山悠輔ホームラン数こそ十分ではないが、打点をしっかり上げていることに触れ、「よくボールが見えているので打ち損じも少ない。三振もそれほど多くない」と語った。

 打率.235とパッとしない佐藤輝明に対しては「佐藤への期待はとても高いがよくやっている」と本塁打と打点が多いため、期待通りの活躍をしているという。その一方、「彼は本塁打35~40本打てるポテンシャルがある」とも口にしており、現状の本塁打のペースでは期待以上の成績を残すことは難しいと、佐藤輝だからこそのハイレベルな注文をつける。そして、「彼らがこのまま打ち続ければ優勝できるだろう」と優勝の可能性を示した。

 次に投手陣に関しては「去年まで無名とも言える存在の投手が素晴らしい活躍をしている」とコメントして、村上頌樹大竹耕太郎の名前を挙げる。まず村上は「彼のストレートは最速150キロ程度、それほど速いというわけではない。しかしコントロールが抜群。球種の使い方も素晴らしい」と絶賛。大竹に対しては「とんでもない数字だよね。本当に素晴らしい」と防御率0.71といまだに0点台をキープしている現状に驚きを隠せない様子だった。

 前向きな要因を解説してきたラミレス氏だったが、より優勝を手繰り寄せるピースとして西勇輝青柳晃洋の復調に期待する。西には「そんなに(成績は)悪くはないと思うが、だいぶ年齢が高いからね。このペースだと10勝をあげるのは容易ではない」と渋い評価。青柳には「被本塁打は1本のみだが38イニング投げて被安打が42本ととても多い」と打たれすぎている現状を指摘する。「特に後半戦からは西と青柳の復調は不可欠だろう。若い村上と大竹がどこまでこの調子が続くかはわからないからね」と続け、実績のある大黒柱2人の復活が優勝への鍵になると語った。

 2008年に前半戦が絶好調で2位に最大13ゲーム差をつけたものの、後半戦に失速して巨人に優勝を譲った過去があるため、現状を楽観視している阪神ファンは少ない。15年前の悪夢を再現させないためにも、西と青柳の状態に注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

球界OBが指摘する阪神優勝の必須条件「西と青柳の復調は不可欠」