どうにも調子が上向いてこない。アスレティックスの藤浪晋太郎だ。
現地6月5日に敵地で行なわれたパイレーツ戦に3-1とリードした6回1死満塁の局面で4番手として登板した藤浪。しかし、連続して四球を許して同点とされると、続くジャック・スウィンスキーに犠牲フライで逆転まで許してしまったのである。結局、1回2/3(30球)を投げ、被安打1、無失点(記録上は自責点はつかず)で降板した。
【動画】164キロもむなしい押し出し。藤浪晋太郎と強打者マカッチェンの対峙シーン
先頭打者から不穏な空気が漂った。対峙したアンドリュー・マカッチェンの初球にいきなりインハイへ4シームが抜けると、フルカウントから投じた渾身の4シームは102.1マイル(約164.3キロ)を計測。しかし、コースは外角低めにやや外れたために押し出しの四球となった。これには背番号11をマウンドに送り出したマーク・コッツェイ監督も首を横に振り、うなだれるしかなかった。
リリーバーとしての役目を全うできなかった藤浪は、計32イニング超で30四死球と課題の制球難は相変わらず。それが尾を引く形となっている防御率は11.57とメジャーワースト(15イニング以上)の数値となっている。
先発でも、リリーフでも、目に見える結果が残せずにもがき苦しむ。そんな29歳の日本人右腕には、現地メディアからも嘆きの声が上がる。
パイレーツの地元紙『Pittsburgh Post Gazette』のリポーターを務めるアンドリュー・デスティン氏は「満塁で防御率12点台のフジナミをマウンドに送り出すのはかなり大胆な戦略だった」と指摘。また、米メディア『IUSTV』のザケ・シャパイロ記者も「フジナミはもうDFA(事実上の戦力外通告)すべきだ」とシビアな評価を下している。
「本当に真面目な話だ。彼は何かが合っていない。彼との契約はアスレティックス史上最悪の契約だ。とにかく、フジナミはここ(メジャーリーグ)でやれる選手じゃない」
昨年12月に1年325万ドル(約4億3900万円)+出来高という契約を締結した藤浪は、晴れてメジャーリーガーとなった。しかし、本人が憧れていた舞台での挑戦は、まさしく前途多難。今のまま壁を突き破れない日々が続けば、契約満了となるシーズン終了後に苦しむ可能性は小さくないと言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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