ウェザーニューズは6月6日に、2023年の「台風傾向」を発表した。

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●「正のインド洋ダイポールモード現象」が発生



 2023年の「台風傾向」では、今シーズンの台風発生数は、5月までに発生した2個を含めて29個前後と予想しており、シーズン中は2019年以来の強い「正のインド洋ダイポールモード現象」の発生が見込まれる。

 「正のインド洋ダイポールモード現象」は、インド洋東部で海面水温が平年より低く、西部で平年より高くなる現象。海面水温の変化にともなって、インド洋東部では通常に比べて蒸発が抑えられる一方で下降気流が発生し、高気圧が強まる。この高気圧から吹き出す風の影響を受けて、フィリピン近海では上昇気流が強まり、対流活動が活発化するため、フィリピン近海で多数の積雲や積乱雲が発生しやすくなり、台風が発生するケースが多くなる。

 「正のインド洋ダイポールモード現象」が発生すると、インド洋の東部で高気圧性の循環が強まって、フィリピン近海へ吹く風(モンスーン)が強まり、フィリピンの東で東風(貿易風)とぶつかることで、平年と比較して周辺での対流活動がやや活発になる見込みで、台風の発生数は平年の25.1個よりやや多くなると予想している。

 さらに、2015~2016年以来の強度となる顕著な「エルニーニョ現象」も発生する見込みで、近年の研究によれば今シーズンに予測されているエルニーニョ現象の海面水温分布の場合、台風の発生位置が平年よりも東または南東にシフトすると考えられる。また、海面水温が高い海域を通る時間が長くなるため、勢力の強い台風が多くなると予想している。

 「エルニーニョ現象」は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が、平年より高くなる現象。海面水温の変化にともなって、通常ならフィリピン近海で活発な対流活動が東(南東)へシフトする。

 今シーズンに予測されているエルニーニョ現象の海面水温分布の場合、東シナ海方面へ進む台風は少ない傾向がみられる。一方で、日本の南から東日本太平洋側を中心に台風が接近しやすくなると考えられる。
ウェザーニューズ、2023年の台風発生数は29個前後と予想