岡本夏美

 岡本夏美が、「劇団時間制作」(劇作家・谷碧仁氏主宰)が手掛ける10周年記念公演『哀を腐せ』で主演を務めることが決まった。岡本にとって本格舞台での単独主演は初。「丁寧に作り上げていきたいです」と意気込む。

 主演舞台は、今月14日開演のピンク・リバティ『点滅する女』でのW主演を含め2作連続となる。

 『哀を腐せ』は、「劇団時間制作」が10周年を迎え8月と10月に行う公演の一つ。「どう死んでいくか」をテーマにした10月公演『トータルペイン』に対して、「どう生きていくか」がテーマ。人間の生死という永遠のテーマに踏み込む。

 『哀を腐せ』は、8月17日から27日まで東京芸術劇場・シアターウエストで上演される。

■あらすじ

多くの犠牲者を生んだ一件のバス事故
刑事裁判も民事裁判も、被害者の会が望む形で終結した

しかし終わった事で始まった対話により
腐る事ない哀しみが襲い掛かる
解散か。存続か。それとも…
禁断の後日談が幕を開ける

“哀しみ”で繋がっていたはずだった

■岡本夏美:コメント

 この度「哀を腐せ」にて主演をつとめさせて頂くことになりました。

 座長として演劇の舞台に立つのは初めてですが、キャストの皆さん、演出の谷さんと丁寧に作り上げていきたいです。

 劇団時間制作さんとは、一年ぶりの公演です。

 前回「12人の淋しい親たち」では、私自身、0から“いのち”について向き合いました。

 今回の「哀を腐せ」でも、引き続き、思考を止めず、寄り添いながら挑む作品となりそうです。

 交通事故が題材となったこの作品を通して、人々の心情を知るきっかけ、向き合う時間のきっかけになればと思います。

■谷碧仁(劇団時間制作・主宰/脚本・演出)コメント

 劇団時間制作10周年公演として、「哀を腐せ」「トータルペイン」をこの世に産み落とします。

 「どう生きるか」「どう死ぬか」という対照的でありながら相似的なテーマを持つこの二作品は、どちらも交通事故が題材となります。

 ある日、突然時計が止まる。しかし世の中は目まぐるしく進み、いつしか忘れ去られ、そして裁判は終わり、置いていかれる。

 今作では、“置いていかれた”もしくは“置いていかれそうなった人達”を物語にしました。記号的ではなく、グラデーションの価値観、思想を是非ともお客様に目撃して頂きたいと思います。

 あなたにとって、万が一の不幸の「準備」になる事を願っております。