君は、「ヘルタ」を知っているか。 

君は、「ヘルタ」を知っているか。『崩壊:スターレイル』のプレイ日記なのにヘルタのことしか書かない_001

 ヘルタ、それは崩壊:スターレイルのキャラ。

 ヘルタ、それは宇宙ステーション「ヘルタ」の主人。

 ヘルタ、それは人気すぎて半ばネットミーム化しているらしい。

 今回は、ほとんど「ヘルタ」の話しかしない。

 結構お金の動いている企画らしいのに、「ヘルタ」の話しかしない。

 許せ、電ファミニコゲーマー。許せ、HoYoverse

文/ジスマロック
編集/実存

『崩壊:スターレイル』公式サイトはこちら

※この記事は『崩壊:スターレイル』の魅力をもっと知ってもらいたいHoYoverseさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。

くるくる~

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 ヘルタは、なぜ人気なのか?

 理由は至極簡単。

 かわいいから。

 パッと見幼い少女に見える彼女は、実は人形である。ヘルタ本人は、どこかからこの人形を操作しているらしい。つまり、我々の目の前で高慢な態度を見せるこの少女は、「外側は複製されたヘルタ人形、中身はそれを操作するヘルタ本人」という存在なのだ。

 そしてその設定通り、目の前に現れるヘルタは「人形」の身体をしている。四肢を繋ぎ止める関節は球体状。細く繊細で、少し引っ張れば千切れてしまいそうな指と指の間には継ぎ目が見える。変態企業が。

 これほど幼く可憐な容姿をしておきながら、その実なんの魂も宿っていない、無機物なのである。宇宙ステーション「ヘルタ」内には「オフライン状態」として完全に物言わぬ人形として放置されているヘルタが存在していたりする。世界的変態企業が。

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 だけど、ヘルタに出会うまで、私は「球体関節」というものの魅力をあまり理解していなかった。

 球体関節人形……関節を球体型とすることでより自在なポージングを取ることを可能とした、フィギュア界の一大発明。

 そして、本来であれば役割のために、ある意味便宜上取り付けられた「球体型の関節」そのものが愛好されてもいる。なんとなく、球体関節が好きな人の感覚はわからないでもない。本来であれば人の形として欠点がなく存在しているはずの肉体に、「異物」とも言える人工的な関節が取り付けられている。

 「本来、そこにあるはずの完全無欠のものが、どこか犯されている」ことの美しさは、わかる。たとえば、片腕が破壊されて配線が見えてしまっているロボットや、耳だけが欠けている動物など……「一般的な美意識の価値観から見て、何かが踏み荒らされている」ことの背徳的な美しさは、私もよくわかる。

 でも、これまで球体関節が好きな気持ちはよくわからなかった。
 だけど、ヘルタはかわいいと思った。

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 いきなり話が脱線するけれど、ウネルミナモというポケモンをご存知だろうか?

 これは「スイクン」に似た姿をした全く別のポケモンで、二足歩行の恐竜を想起させるような体型に加え、半ば爬虫類じみた二股の尻尾を持っている。私はこのポケモンを見た時、なんだか興奮した。

 そもそも「スイクン」は、私の目から見て神秘的で、高貴な印象のあるポケモンだった。矮小な我々の視座から見て、「神様」と言っても差し支えないような命の美しさを感じる流線形がそこにはあった。だけど、ウネルミナモは、もはや「異形」とすら言える生き物だった。

 誰にも手を出せないはずの神様が、その神秘性を貶められている。私たちが崇めていたものは、少し形が違えばこんなにも恐ろしい生き物だった。私の感覚的に、これは「美しさが凌辱されている」と感じた。でもそれに嫌悪感を覚えたわけではなく、どこか背徳的な興奮を覚えている自分がいた。

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 そして、私はヘルタと球体関節の魅力が理解できた。

 これは、私にとって、「誰にも傷付けることが許されない完璧な物に、機械的な“そこにあるはずのないもの”が取り付けられている」という背徳感の愛らしさなのだ。
 
 真っ白で、誰にも犯されていない新雪を醜悪に、野性的に踏み荒らすのは、意外と気持ちが良かったりする。そこに「咲き誇るもの」としてあるはずの、コンクリートコンクリートの隙間から自生している花を思いきり踏み潰してしまうのも、やってみると嫌な興奮を覚えたりする。

 何者も犯せず、何者にも傷付けられないはずの可憐な少女の身体のあちこちに、「そこにないはずの物」が大量に取り付けられている。確かに、これは愛らしい。機械的な完全さと、有機生命体の人間としての不完全さ。そう、「どこかが犯されているもの」は、やっぱりかわいい。

 ……なんとなく、ヘルタ好きのみなさんから「やめろーッ!てめえの意味不明な価値観に俺たちを巻き込むんじゃねェーッ!!」という怒号が続々と飛んできている気がします。

 でも、私にとって「ヘルタの良さを理解できた」ということは、結構大きな一歩な気がするのです。今やっと、「背徳的な愛らしさ」を解析・分析できた気がする。理解の及ばなかったものの美しさに気付けることは、やっぱり良いことだからね。

くるり~ん

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 見て! ジスロマックって天才カメラマンじゃない!?

 あぁ、私は文才だけじゃなくて被写体の美しさを切り取る絵作りの才能もあったのか……。老後はカメラマンでも目指してみようかな。

 この「ヘルタなでなで写真」、意外と簡単に撮れるので教えてあげましょう。まずカメラ機能を開く。ヘルタにズームする。「キャラをカメラ目線」の設定をONにする。ヘルタの「アクション2」を押すと、ヘルタの待機モーションが流れる。その待機モーションは、「ヘルタがポーズを固定しながら回転する」というもの。

 その待機モーションの開始わずか数秒、ヘルタが右手を上に伸ばす。そしてアクション開始時、ヘルタはカメラ目線になっている。その瞬間を切り取る! 春麗のスーパーアーツ鳳翼扇を全段ブロッキングするかのような反射神経で、「ヘルタが見上げる形で自分の頭を撫でている(ように見える)」その刹那の瞬間を切り取る!

 この工程を踏むと、撮れます。結構簡単に撮れます。というか、ネットで見たやつを私なりに再現しただけなので、第一発見者の人は本当に天才だと思います。

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少し失敗した写真。接近して見ると、より関節へのこだわりを感じられる。
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 そもそも、ヘルタは「デザイン」がすごい。

 この世の多くの「キャラクター」というものは、やはり多くの集積データと分析によって出力される。それが過去のヒットキャラクターを模倣した作為的な解析結果であれ、無意識のうちに好きだった作品の影響が投影されているものであれ、周囲の友人をモデルにしたものであれ、創作物の「キャラクター」というものが完全な無から生まれてくることはそうそうない……と、私は思っている。
 
 だけど、時として過去を超えるブレイクスルー」的なキャラが生まれることもある。

 データの蓄積やら商品的なヒット要素云々を蹴飛ばすような神がかり的デザインが、時として出ることもある。ヘルタは、かなりそれを感じる。もちろんいろいろな作品の影響があることは察せるキャラだけど、それでも「萌えのパラダイムシフトを感じてしまう。まさに贋作から生み出された真作。えっ、人型決戦兵器?

 まず、ヘルタの服は「肩」が出ている。 

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 多くの場合、「肩出し衣装」にはセクシーだったり、快活的なイメージを持たせるような役割がある。が、ヘルタは肩出し衣装を着ることで、なんと見事にその球体関節がバッチリ見えている。これぞ機能美の肩出し。まさに「肩を見せるための、肩出しなのだ。HoYoverseくんさぁ…………。

 改めて全身像を見るとわかるように、ヘルタは「肩・手首・膝」の関節の部分が、大体しっかりと露出されている。いわゆる「四肢」の繋ぎ目が、もう「俺たちの渾身の球体関節グラフィックを舐めるように見てくれ」と言わんばかりにしっかりと露出されている。ある意味、すごくスマートな気がする。

 どこかでオープンワールドゲームの作り方を聞いた時、開発者の人が「UIを使わないオープンワールドは、どこからでも視認可能な巨大ランドマークを配置することで無意識的にプレイヤーの進行ルートを誘導します」と言っていた。

 そしてヘルタはまさに球体関節の視線誘導的デザイン。球体関節がある箇所を衣装側から引き立てることで、「このキャラは人形なのだ」という認識を無意識的に誘導し、刷り込む。

 なんたる誘導的デザイン。まさにキャラデザ界のオープンワールドタイトル。
 これがヘルタの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムってことか。

 →流行りに乗るのはやめた方がいい。
 →ドブみたいなタイトル名が聞こえてビックリした。

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 なんだか、女性読者が離れていっている気がする。

 しかしもう止められない。既にアンストッパブル。暴走:スターレイル。

 ふたつ目に、ヘルタは「身長が絶妙」なのである。このキャラ、本当に絶妙な身長である。だいたい、中学生くらいだろうか? 目測、145cm~150cmくらいであろうか?

 実は、『崩壊:スターレイル』にはこれくらいの身長のキャラが少なかったりする。
 いくつか例を挙げよう。

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 わかりやすいよう、先ほどと同じお茶の看板横で撮影してみた。おそらくゲーム内で最も背の低い白露・フック辺りでこれくらい。これは多分小学校低学年くらい。そして三月なのかは基本的な身長。高校生くらいだろうか。

 この中間にある「中学生くらいの身長」が、私は好き。ヘルタ以外でパッと挙げられるところだと、クラーラ・彦卿・アーラン辺りがこの「中学生くらい」に該当するキャラだろうか。ゴメン、意外といたわ。

 でも、ここで安易にヘルタの背を低くしすぎない采配が、私は中々に神がかった采配だと思う。そう、そうなんだよ。そこぐらいの身長がベストだ。

 まさに乾坤一擲。何百年か前、李書文は弟子に「千招有るを怖れず、一招熟するを怖れよ」【※】と説いたらしい。まさしく一招を極めたキャラデザイン。無駄のない洗練された一突き。それがヘルタ。萌えに、二の打ちは要らない。

※「李書文の教え」
「多くの技を極めた者を恐れるよりも、ひとつの技を極めた者を恐れなさい」という意味。

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 そして次はヘルタのバトル面。

 そろそろ「お前どんだけヘルタで引っ張る気なんだよ!!!!!」という罵声が飛んできそうな気がする。だから冒頭に書いたでしょう、今回はヘルタの話しかしないと。フッ、僕は天才だからな。やろうと思えばキャラクターひとりで日記1回10000字を持たせてしまうくらい何の苦でもない。

 『崩壊:スターレイル』は、キャラによってバリエーション豊かな武器が用意されている。その上、たとえ同じ剣使いでも、キャラによってモーションが違ったりする。普通にすごい。そしてヘルタの武器は、その体躯に見合わないドデカハンマーである。おい、やってんな。

 「明らかに物理的に持てないはずの巨大な武器を持っている」って、嬉しいんですよね。ここに、複雑な理屈は存在しない。この嬉しさに、ロジックはない。

 まさに『崩壊:スターレイル』のガッツ。まさに『崩壊:スターレイル』のクラウド・ストライフ。ここに文句をつけられたらもうどうしようもない。ここに批判が殺到して、はてなブックマークが地獄のような様相を呈したら、もはや私はお手上げである。

 くるくる~
 くるり~ん

 ヘルタは、追撃する度にそんなセリフを吐きながら回転している。
 この「くるくる~」「くるり~ん」がかわいい。
 なぜ、この「くるくる~」「くるり~ん」が世界的に大人気【※】なのか?

 かわいいからに決まっている。

※「世界のヘルタ」
この「くるくる~」「くるり~ん」の独特なボイスにハマってしまう人が続出したようで、YouTubeを中心に「くるくる~」「くるり~ん」を使った音MADアラームなどが流行り、半ばネットミーム化している……らしい。個人的にはマリオの曲に合わせて回ってるやつがおすすめです。

 もしかしたら、まだ『崩壊:スターレイル』をプレイしていないのにこの記事を読んでいる不思議な人は、「ヘルタって強いの?」と感じているかもしれない。

 実際、わからない。強いのか? 弱いのか? ……私にはよくわからないいよいよ何の役にも立たない記事ではないか。ただ、なんだか回転しているところがかわいいから育ててしまった。

 私も、「くるくる~」「くるり~ん」を実機で聞いてみたかった。だから主力に組み込んでいる。強力な星5キャラを差し置いてわざわざヘルタをパーティーに入れる必要があるのかというと、よくわからない

 でも、戦闘中に「くるくる~」「くるり~ん」がいちいち流れるアドバンテージに比べたら、もう性能なんてどうでもいいのではないだろうか?

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 ちなみにヘルタが描かれた光円錐もあったりする。かわいい。

 実際、この光円錐はヘルタと相性がいいのだろうか?

 よくわからない

 なんとなく、かわいいからヘルタにつけている。逆に言えば、崩壊:スターレイル』はこのくらいアバウトに遊んでも大体どうにかなる、ということかもしれない。

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$ From 銀狼
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> *%(%(()I@)(#(@#)))(#)(R$GJIO!)FDOK

え、なんか乗っ取られてるんだけど……?

> $ システム: ジスロマックの日記をハッキングしますか?
(Y/N)
> Y

ちょっと! 乗っ取る必要ある!?

なんでこんな場末のプレイ日記を狙い撃ちにしてくるんだ!?
もっと人気Youtuberとかいるだろ!

どうなってんだHoYoverse!!

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$システム:
>……

ほんとに返してください!
僕が編集部の人たちに殺されてしまいます!

$ システム:「返還条件」モジュールをロードしますか?(Y/N)

え、Yesってこと?Yってこと?一応…
>Y

> [==================================>]100%ロード完了
> wget<返還条件:跳躍で「私」を捕まえて>

え、ガチャで銀狼を引けってこと!?
引かないと返さないってこと!?
……何とかしてよHoYoverse!!
横暴だ横暴!!

$ システム: 「返還条件」を引き受けますか?(Y/N)

わかりました!銀狼様、なんでもします!
ピックアップでも何でも引きます!
食事代を削って課金します!もうブ●アカにもFG●にも課金するのやめます!!

$ システム: 日記返還を行います
 > [==================================>]100%返還完了
 > if 跳躍で行動失敗 {
 > rewards(ETERNAL BAN”) 


※現在、『崩壊:スターレイル』では天才ハッカー・銀狼からの「挑戦状」企画が進行中です。

 ……今の、マジで向こうの大人が見てOKしてくれてますからね。私が勝手に無断で書いた夢小説とかじゃないですからね。

 多分、私は「世界で初めて銀狼と会話した現実の人間」なのではないでしょうか? まさか私も銀狼さんと話せる日が来るとは思っていませんでした。いやぁ、ゲームライターってとても夢のある職業ですね!

 まぁ、銀狼引かないとBANされるの確定らしいんですけど。
 どうなってんだ銀狼!!

こんな大きなダイアモンド、見たことないでしょ?あげるね~

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 君は、「模擬宇宙」を知っているか。

 模擬宇宙……それはヘルタが開発した疑似的な宇宙。この仮想宇宙に飛び込むことによって、全く新たなバトル体験を楽しむことができる。

 そしてヘルタは、これをメタバースと呼称している。まぁ、下手な仮想空間より『崩壊:スターレイル』は相当完成度の高い仮想空間かもしれない。……私もあまり「メタバース」の定義がよくわかっていないので、これがメタバースなのかはわからない。

 どこかの偉い人が、メタバース云々言う奴は、まずラノシア【※】に行け」と言っているのを聞いたことがある。もしかしたら、いつか『崩壊:スターレイル』もそういう存在になるのかもしれない。メタバース云々言う奴は、まず仙舟・羅浮に行け。この記事、気がついたら脱線している。

※「ラノシア」
ロータノ海に浮かぶバイルブランド島南部の地方。都市国家リムサ・ロミンサはラノシア南部に位置している。『崩壊:スターレイル』の合間に遊ぶゲームが欲しい……と思っている方はいないだろうか。そんな貴方に、『ファイナルファンタジーXIVフリートイアル』というものが存在する。

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 より端的に言えば、模擬宇宙は「サブコンテンツ」のひとつ。この模擬宇宙に挑むことで、経験値や星玉などのアイテムを獲得できる。……とはいえ、「たかがサブコンテンツ」だと思う方もいるかもしれない。ところがどっこい。本編よりこの模擬宇宙にハマっている人が続出しているくらいには面白いコンテンツだったりする。

 模擬宇宙最大の特色、それは「ローグライク」(もしくはローグライト)的な要素があるところ。もっと簡単に言えば、「ヘルタの不思議なダンジョン」みたいな感じなのだ。

 『崩壊:スターレイル』のバトルシステムはかなりオーソドックスな、行動順で管理されるターン制バトル。そこにローグライク要素が重なってくるのが模擬宇宙。より具体的に言えば、「敵を撃破するたびに特殊なバフをひとつ獲得できる」のだ。

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 模擬宇宙内では、こんな風に敵を撃破すると3つの「祝福」というバフの中からひとつを選択して、獲得することができる。この祝福には星1~星3までのレアリティの概念が存在していて、レアリティが高ければ高いほど、より強力なバフだったりする。

 つまり、「敵と戦えば戦うほど、どんどんバフが増えて強くなっていく」ダンジョンなのだ。こんなの、楽しいに決まっている。

 しかも上記の画像のように、「精鋭エネミー」という強敵を撃破すれば「3つ全てが最高レアリティ」の祝福チョイスができたりする。そして、この祝福にはカテゴリーが存在している。「存護・記憶・虚無・豊穣・巡狩・壊滅・愉悦」の7カテゴリーが存在しており、このカテゴリーによってバフの方向性が変わってくる。

 たとえば、「存護」のバフは「バリアを獲得する」ことを中心にした効果のものが多い。ターン開始時にバリアを獲得したり、HPが一定の割合を下回った時にバリアを獲得したり。この存護の祝福を中心に獲得していけば、最終的にはバリアまみれでカッチカチ」のデッキ構築をすることができる!

 この「祝福の選択によるデッキ構築」的な面白さがあるのが模擬宇宙。さらに、手持ちのキャラクターともシナジーを発揮して、より面白い戦法を組んだりもできる。

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 特に「存護」のバフと強力なコンボを発動できるのが、「ジェパード」というキャラ。

 前回の日記で「書いたら出る」とか言ってたら本当に出たのだから驚きです。やっぱり俺、持ってる男だぜ。あ、言い忘れてたんですけど、実はこれプレイ日記なんですよね。でもロクなこと書いてないので前回は別に読まなくていいです。

 ジェパードは必殺技で味方全体にバリアを展開できる超強力なディフェンダー。そして模擬宇宙の「存護」デッキもバリアを大量獲得できる。ここが噛み合えば、まさに無敵要塞。だが、勘の良いみなさまであればこの戦術の欠陥には薄々気付いているはずだろう。そう、この戦術は、「死なないのはいいけど、勝てもしないのでは?」という欠陥がある。守るのはいいけど、この戦術には攻めが存在しない。

 だけど、これはローグライク
 存護の祝福の最高レアには「神性構築・不静定構造」という全てがひっくり返る効果のバフがある。それは、「キャラが攻撃を受けた後、攻撃者に対して自身のバリア耐久値340%分の反震ダメージを与える」という効果。

 つまり、「バリアを持っている状態で殴られると、自動的に相手にカウンターダメージが飛んでいく」状態になる。そしてこれは永続効果! 殴られているだけで、自動的に相手が死ぬ! ジェパードの必殺による全体バリア+存護バフのバリア獲得で、ほぼずっとバリア&永遠にカウンター状態が持続し続ける!! フフフ、模擬宇宙面白そうでしょう?

 しかもこれすら、数ある戦術のひとつでしかない。「そもそものキャラ性能+7つのカテゴリーに分類されたバフ+レアリティによる効果の差異」が重なり合うことで、もはや無限の戦術が存在するのです!

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ヘルタの伝説 模擬のオカリナ

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 模擬宇宙の話、まだまだ終わらない。

 というか、本来であれば模擬宇宙だけで記事1本書けるくらいには奥深いコンテンツなのだ。

 ローグライクの面白さの根源にあるものとして、まず第一に来るのは「成長」と「周回」。そしてその次に来るのは、やはり「選択」なのではないだろうか?

 ここで引き返すか、それともさらなる報酬を求めて突き進むか。愛用していた装備から、新たなこの装備に付け替えるか。この「選択」こそ、ローグライクにおいて重要なファクターなのではないだろうか?

 そして模擬宇宙にも、もちろん「選択」がある。
 模擬宇宙は1ステージにつき何層かのフロアを攻略していく仕組みとなっており、「イベントエリア」や「戦闘エリア」などが用意されている。上の画像のように、イベントエリアに行くか、戦闘エリアに行くかの選択はプレイヤーの手に委ねられている。うん、まさしく「ヘルタの不思議なダンジョン」ですね。

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 そしてイベントエリアでは、さらなる選択があなたを待ち受けている。たとえば「パブ」というイベントでは、護衛団に挑むか、傭兵集団に挑むかの2択が用意されている。そして「二人まとめて相手してやる!」という3つ目の選択肢も存在している。このどれかを選ぶことによって、さらに祝福を獲得できる。

 わかります。わかりますよ、ゲーマー的にはやっぱり3つ目の選択に行きたいですよね。もちろん3つ目を選択すれば、報酬も全て獲得できます。つまり両方の祝福を一挙両得できます。ですがこれ、3つ目は結構難しい。模擬宇宙の全体的な戦闘バランスとして、「最終ボスは強いけど、道中の雑魚はそこまで」くらいの難易度なのですが、このイベントでは時として最終ボス並みの敵が飛び出してきます。

 そしてうっかりここで3つ目を選んで負けてしまうと、獲得した祝福は全ておじゃん。いちからやり直し。う~ん、実にローグライク。私は普段そこまでこういうジャンルにはハマらないのですが、模擬宇宙でなんとなくローグライク好きの方の気持ちがわかりました。

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 ですが、何もかも祝福によって決まるワケではありません。ちゃんと「周回」の意味は存在しています。たとえば模擬宇宙内で獲得したアイテムを使って「模擬宇宙内でのみ、HPが上昇する」といったパッシブを獲得することもできますし、さらには「奇物」というアイテムで強力な永続効果を得られたりもします。

 特に「純美のローブ」は強力な奇物で、自分が所持している「宇宙の欠片」の数だけ攻撃力がアップします。単に強い。割と純美のローブ一択まであるかも?

 おっと、そういえば「宇宙の欠片」に触れていませんでした。忘れてたわけじゃないですからね。宇宙の欠片は模擬宇宙内の戦闘で獲得できる通貨のようなもので、これを消費することで先ほどの祝福(バフ)を強化することができます。ちなみに強化の上昇値は結構高いです。

 ですが、強力奇物「純美のローブ」は所持している欠片の数だけ攻撃力が上昇します。つまり、この奇物を所持した状態で祝福を強化すると……攻撃力が下がる! 欠片を消費し、強力なバフを得るのか? それとも奇物を活かすため、あえて欠片は消費しないのか?

 ここの「欠片を巡るリスクとリターンもかなり面白いところ。

 ……これ、模擬宇宙だけで普通にゲーム1本売れるよね?

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最高レアリティの祝福の強化には、それだけの宇宙の欠片が要求される。その代わり、効果も圧倒的。

 そのフロア内での休憩エリアにはヘルタが待機しているので、そこで祝福の強化を行ったりできます。ちなみにヘルタはいじわるなので、ここの強化すら「欠片を消費して、所持している祝福の中からランダムに2つを強化」というランダム性を持たせてきたりします。

 強化される祝福の上昇値自体はかなり期待できるので、ここが上手くハマれば案外余裕でクリアできちゃうことも。逆に、微妙な祝福が強化されて苦戦することもある。ここが面白い。基本的に同じボスと戦うのだけど、その周回によって恐ろしいほど余裕だったり、恐ろしいほど苦戦したりする。

 そしてステージを進めていくと、もはや「エンドコンテンツ」の領域に片脚を突っ込んだ難易度のステージも登場してくる。本編のストーリーは結構サクサク進められるだけに、崩壊:スターレイル』のバトルシステムを最も濃密に体験できるのは、意外とこの模擬宇宙なのかもしれない。

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同じカテゴリーの祝福をいくつか獲得することで「反響構音」という、そのカテゴリー専用の必殺技を使用できるようになったりする。「巡狩」の祝福で揃えると、敵全体に強力な風属性ダメージを発動できたりする。
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模擬宇宙内で展開されるストーリーは、今作の世界観の根幹にある「星神」についてかなり触れている。多分「世界観好き」の方にはたまらない。というか、今のところ「星神」についての情報を小出しにしてくれるコンテンツは模擬宇宙くらいである。

 そしてもちろん、模擬宇宙を進めることで遺物や経験値も獲得できる。なんのデメリットもない。ただ面白いローグライクを周回していると、いつの間にやら星玉とガチャチケットが溜まっていたりする。

 ……ただ、冷静に考えてみると恐ろしい。

 普通に、この「ローグライクターン制RPG」で1本のゲームとして売り出してしまってもいいのに、模擬宇宙は所詮『崩壊:スターレイル』内のいちコンテンツでしかない。『原神』にも「七聖召喚」があったように、1作のゲームの中に大量に別のゲームを組み込んでいくのがHoYoverse式なのだろうか。恐ろしい。アナタたち、恐ろしいわ!

 まぁ、基本的にRPGには何かしらの「サブゲーム」があると嬉しい。何ッツボールとか、何ボレースとか……。だから、模擬宇宙が存在しているのも「RPG」だと考えれば当然のことかもしれない。いや、にしたって完成度が高い。

 あんまりゲームシステムの話をしたがらない私がここまで書いているのだから、「これは中々にすごい物が出ている」くらいには覚えておいてほしい。

 もしかしたら、模擬宇宙に釣られて『崩壊:スターレイル』を遊び始める奇特な人が現れるかもしれない。もしそんな人がいたら、ご一報ください。

 ………第3回でついに真面目な日記が出ましたね!!!

『崩壊:スターレイル』公式サイトはこちら