
いったい何が起きているというのか?アメリカのワシントン沖で、シャチと鹿(オジロジカ)が間近で泳いでいる姿が確認された。
この時シャチの観察を行っていた、太平洋ホエールウォッチ協会(PWWA)は、写真に写ったシャチのすぐそばで泳ぐ鹿の姿を見て衝撃を受けた。
自然界ではありえないような異種の動物たちの交流が目撃されているが、鹿とシャチのカップリングはレア中のレアだろう。
鹿が海を泳ぐことは珍しいことではないそうだが、シャチは海の覇者であり、向かうところ敵なしだ。もっとも陸に住む鹿は、シャチのすごさを知らなかったのかもしれないので余裕だったのかもしれないが。
Deer swims past Bigg's orca in photo captured at Battleship Island
6月4日、アイランド・アドベンチャーズのホイールウォッチングのボートに乗っていたメンバーの1人で写真家のサム・マーフィーさんは、ワシントン州北西に位置するサンフアン諸島の沖合で、シャチと鹿が間近で一緒に泳いでいるという奇妙な光景を撮影した。
その写真では、シャチが水面を突き破って背を見せているすぐそばに、オジロジカの小さな頭が海から顔を出している。
実は、サムさんはこの光景を撮影していたとき、シャチのすぐそばにいた鹿には気づいていなかったという。
また、ボートに乗っていた太平洋ホエールウォッチ協会(PWWA)のスタッフたちも誰も気づいていなかったが、後にサムさんの写真を見て、衝撃を受けた。
PWWAが確認したところ、このシャチの正式名称はT124Cで、クーパーという愛称のオスだそうだ。
クーパーは、鹿に襲いかかることもなく、鹿も慌てている様子もない。最終的にシャチは鹿の横を泳ぎ過ぎて行ったという。
シャチはご存じのように賢いし、好奇心旺盛だ。鹿が珍しかったので近づいてきた可能性もある。
鹿を襲わなかった理由としては、普段捕食しているアザラシやアシカなどよりも、鹿の脂肪分がはるかに少ないため、おいしいごはんじゃないと判断し、興味を示さなかった可能性があるという。
その後、サムさんの写真は「参加者写真コンテスト」で優勝した。
泳ぎが得意なオジロジカは海を泳いで移動することも
だが、いったいなぜ陸で暮らす鹿が海に?と思ってしまうが、実はオジロジカが海や他の水域で泳ぐことは、決して珍しいことではないようだ。
WorldDeer.org によると、オジロジカは泳ぎが得意で、時速約24キロの速度に達し、水中を数キロ移動することができるという。

PWWAスタッフにとって、シャチのすぐそばで鹿が泳いでいる姿を見るのは初めてのことであり、エリン・グレス事務局長はこのように述べている。
当局スタッフは、後でサムさんの写真を見て、驚いた次第です。この奇妙なカップリングを目撃できる確率はいったいどれぐらいでしょう!?
シャチやクジラの観察は、ワシントン沖では日常的だ。PWWAによると、ワシントン州とブリティッシュコロンビア州の沖合には400頭近くのシャチが生息しているという。
特に、海がきれいになり、餌となるアザラシやアシカが増えたため、ホエールウォッチングに参加する人は増加しているそうだ。
とはいえ、今回のような珍しい組み合わせを見ることができるのは稀であり、この光景に遭遇したホエールウォッチングのメンバーたちは、幸運だったといえるだろう。
References:Deer takes a dip alongside killer whale off Washington coast, shocking observers / written by Scarlet / edited by parumo

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