5月は大暴れとなった万波(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 セ、パ両リーグは8日、5月度「大樹生命月間MVP賞」を発表し、パ・リーグ投手部門で、日本ハム加藤貴之投手、打者部門で万波中正外野手がそれぞれ選出された。

 日本ハムの選手が両部門で受賞するのは、12年9月度に投手部門で武田久、打者部門で糸井嘉男が受賞して以来、11年ぶりの快挙、いずれも初受賞となった。

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 昨年はわずか90球で完封勝利を挙げたことでも注目された左腕・加藤貴は5月は4試合に登板。13日のロッテ戦(エスコンフィールド)では4安打で今季初完封勝利を挙げるなどチームに貢献した。注目は30イニングで自責点わずか「1」、防御率0・30という圧倒的なパフォーマンス。初の開幕投手を務めた今季は早期降板を拒否する姿勢をしばしば見せるなど、「主力投手の自覚」も出てきた。

 プロ8年目での初受賞に関して「そういう賞とは無縁だと思っていた。取れるとは思っていなかったので本当にうれしい」と喜んだ。

 また打者部門で初受賞となった万波は5月だけで7本塁打、打率2割6分7厘をマークし、プロ入り後、初のタイトルを手にした。こちらも「プロ野球で初めて何か(タイトルを)取れたというのは本当にうれしく思います」と初々しいコメントを残した。

 投打にわたって主軸の活躍が目立った5月はチーム成績も14勝11敗と粘り強く勝ちが拾えるようになっており、シーズン前に「優勝しか目指さない」と公言している新庄剛志監督も手ごたえを感じ始めている。

 また日本ハムの選手が両部門で受賞するのは、12年9月以来となったが、その年は栗山英樹監督が就任1年目でリーグ優勝を果たしたシーズンとなる。この年は若手の奮起が実り、大きな成果を得た。現在のチームにおいても、万波や野村佑希、また逆輸入ルーキー加藤豪将の活躍などもあり、先発ローテーションが機能、主軸が活発化し打線をけん引するなど戦いの形が見えてきたことで再びの「奇跡」も十分、起こりうると見られている。

 今後一つの山場は交流戦をどう乗り越えるか。指揮官タクトにも引き続き、注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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