しらこばと水上公園

今週末予定されていた「プール撮影会」運営団体が8日、軒並み開催中止を発表し、ネットで波紋を呼んでいる。

その発端は日本共産党埼玉県議会議員団による、プール運営元である埼玉県に対する「貸し出し禁止」の申し入れだったが、撮影会運営側は共産党側の言い分について怒りを露わにする。

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■モデルたちが重視する「プール撮影会」

これまで毎年6月、9月のプール未稼働シーズンをメインに各団体が開催してきた大型プール撮影会。

埼玉県では川越水上公園、しらこばと水上公園、加須はなさき水上公園がその「聖地」となっており、日本各地から多くのグラドル、コスプレイヤー、アイドル、撮影会モデルが集まり、数千ものカメラマンが殺到する。まさにモデルたちにとっての花形イベントで、ここで多くのファンを獲得し今後の活動に弾みをつける場となっている。


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■「貸し出し条件が守られていない」

開催数日前にもかかわらず中止を発表したのはフレッシュ撮影会、はなまる撮影会、東京Lilyミスヤングアニマルオーディションセミファイナルプール撮影会の3団体。騒動の端緒となったのは、日本共産党埼玉県議会議員団による県への申し入れだ。

「過去のイベントの動画をみると水着姿の女性がわいせつなポーズやわいせつなしぐさで映っており、明らかに『性の商品化』を目的とした興業」「都市公園の目的にふさわしいものとは到底考えられません」と申し入れに至る理由を明かしつつ、「『水着撮影会』について都市整備部公園スタジアム課から確認しました。指定管理者より主催者に、中止を申し入れたそうです。理由は『貸し出し条件が守られていないことが主催者のHPより確認されたため』です #性の商品化は許さない」とツイッターで発信したのだった。


■撮影会運営元の怒り

しかし、今回中止となった現場・しらこばと水上公園のHPを見ると、「撮影・イベントでの公園利用について」という項目があり、過去開催した行為許可イベントについてという項目で「水着モデルの撮影会(プールエリア)」と紹介が。県側も健全と容認してきたイベントだ。

共産党側の「貸し出し条件が守られていない」というのはどういうことなのか。10日に1200人規模のイベントを開催予定だった「フレッシュ撮影会」運営元・株式会社エーテルの植田氏は、今回の流れに怒りを露わにする。

「弊社はこれまで40回近く川越水上公園、しらこばと水上公園、加須はなさき水上公園で撮影会イベントを開催してきました。プールを管理する県側とは緊密に連携をとっており、出されたルールはすべて遵守。違反をしたことはありません。それにも関わらず開催2日前に突然『貸し出しできない』と連絡があった。出演交渉や参加者募集など3ヶ月近く注力してきたイベントが一瞬で水泡に帰したのです」(フレッシュ撮影会・植田氏)

■開催中止を余儀なくされたワケ

しらこばと水上公園

フレッシュ撮影会は、まだ無名の撮影モデルやアイドルでも積極的に起用し、ファン獲得に一役買ってきた団体。他団体に比べると水着やコスチュームの露出レベルが低く、より健全な撮影会を目指しており、ファンからも評価されている。

植田氏は続ける。「これまで指示されたルールをすべて守っていたのになぜ…というのが第一印象。我々も受け入れられないと交渉を続けましたが、参加するモデルやファンがいるので長引かせることはできず…」と開催中止を決断したという。


■「違反」部分が不明のまま…

また、どの部分がNGルールに抵触したのか、撮影会団体側には一切示されていないとも主張する。

「我々はプール管理側から中止要請が入ったため、それに応じただけ。繰り返しますが規則はすべて守り、プール側も了解し問題なく毎年プロジェクトは動いていたのです。

そんな長年付き合いのあるプール管理側を悪く書かないため、『一方的な中止要請』をオブラートに包んだかたちで中止を発表しました。が、突如共産党側から『貸し出し条件が守られていないことが主催者のHPより確認された』と、あたかも撮影会運営側がルール違反を繰り返しているかのよう発信された。明らかに事実と異なる」と憤る。


■1,000万円以上の損失

撮影会開催にあたって約350社の芸能事務所との交渉、スケジュール調整を繰り返してきた同社。当日のスタッフ配備、キッチンカー、テント設置などもろもろのキャンセル料、参加者のチケット返金など、損失は少なくとも1,000万円以上にものぼる。

ドタキャンを食らった一般参加者には遠方から飛行機、ホテルを予約して訪れる者も少なくなく、ネット上では共産党側を非難する声が大半を占めている。

「プール管理側も板挟みになっているのは理解できる。ただ『撮影会が違反をしているのでは』と他者に疑念を生じさせる一方的な共産党側の発信には怒りを覚えます。

もちろん一部団体がルールを守っていなかった可能性もあります。しかし、すべての団体がその対象になるのはおかしい。実態を調べず全禁止を要求するのは納得できません」(植田氏)と、騒動の火種はまだ消えていない。


■執筆者プロフィール

キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク

中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、その後『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーを精力的に取材中。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

「プール撮影会」中止騒動、共産党の“勝手な言い分”にイベント運営側は怒り 1000万円超の損失か