選手への柔軟な対応も注目される吉井監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 ロッテの戦いぶりが注目されている。開幕前の下馬評は低かったが、ここまでオリックスと首位争いを繰り広げるなど、好調をキープしている。

 WBCでも投手コーチを務め、今季からチームの指揮を執る吉井理人監督のコーチング術にも注目が高まる中、球界内からも様々な考察の声が上がっている。

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 現役時代は日本ハム、阪神で活躍、引退後は阪神の投手コーチも務めた野球評論家の金村曉氏が野球系ユーチューブチャンネル「野球いっかん!」に出演。8日に更新された動画内でロッテの戦いぶりについて触れている。

 まずこれまでのロッテというチームの印象に関しては「全部平均点のようなチーム」と語った金村氏。突出したバッターがいるわけでもなく、若きエースの佐々木朗希は在籍しているものの、なかなか特徴が見えづらいチームだったという。

 そんなチームが今年、快進撃を続けているのはやはり吉井監督が加入したことが大きいと指摘。金村氏が着目したのは吉井監督の「変化」だという。 

「めちゃくちゃ面白いと思っているのは現役時代と今が全然違う」として、現役時代はときに破天荒キャラとして知られる中、引退後は筑波大学大学院で体育学を専攻するなど、コーチングの基礎を学んだ点を挙げる。

 しっかり理論を学んだ上で選手と向き合っていることで「選手たちのモチベーションが高い。目の色が違う」と個々の選手たちの潜在能力を引き出すことに成功。現在の順位につながっているとした。

 さらに、ときに選手たちに直接謝罪するなど、従来の指揮官にはなかった像を見せている吉井監督に関して、金村氏は「コミュニケーションモンスター」と命名。最近のチームにおいては各チームの指導者も選手との年代差に頭を悩ませるシーンもあるとされるが、柔軟な対応で選手の気持ちをがっちり捉えていることがチームの一体化にもつながっていると見る。

 率直な物言いがファンからも好感を持って受け止められている吉井監督。今後の戦いも楽しみとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

吉井ロッテ快進撃の理由 球界OBが注目する「指揮官の変化」とは