先日、投開票が行われた統一地方選で女性議員の数が全体の半数となった、武蔵野市議会の定例会が開会しました。当選した女性議員は、当事者目線を大切にしたいと意気込みます。

本会議場に続々と入ってくる女性議員たち。6月9日武蔵野市で統一地方選後、初めての定例会が開かれました。選挙の結果、市の女性議員は定数26に対し、新人3人を含む13人となり、初めて女性議員が半数を占めました。当選した若手の女性議員たちは、議会の中でも「当事者の視点」を大切にしていきたいと話します。

笹岡議員:「当事者の声が足りないということで、母親の目線とか、いま私は子育てと介護も入ってきていて、そのライフステージが変わっていくことに、当事者性が増えていく部分もあると思っているので、そういったことも大事かなと思います」

酒向議員:「議会をインターネット中継とかで見たときに、議場に座っている人たちが半分女性というだけでも、今までみなさんが見ていた景色とはかなり異なるのではないかというふうに思っていて、意思決定の現場に普通に女性が半分いるということが当たり前になっていくきっかけになればいいと思う」

新たなスタートを切った武蔵野市議会。女性ならではの視点を取り入れ、よりよい市政に繋げていくことが求められます。

まだまだ「男社会」と言われる政治の世界に一石を投じる形となった武蔵野市議会ですが、全国的にみると、女性の政治参画は未だ遅れているようです。

統一地方選の結果を受け、武蔵野市のように半数以上が女性の議会は、全国で11区市町村になりました。東京では杉並区も半数以上となっています。ただ全国で見てみると、1741ある自治体のうち11となっていて、割合で言えばわずか0.6%しかないことになります。政治の男女均等には程遠い現状で、女性議員の比率を見てみても、国会議員で16%、都道府県議会では14%に留まっています。トップの東京でも29.9%と3割に届いておらず、最下位の大分は4.6%と深刻な状況です。

こうした状況は、世界と比べるとさらに深刻です。世界経済フォーラムが公表した、146カ国を対象にした男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数2022」では、教育や健康は上位ですが、政治が136位、経済が121位と下位となっていて、総合順位は116位と、先進国の中で最低レベルというのが、日本の現状となっています。


武蔵野市 女性議員が半数占める市議会開会 “当事者性が大事”