手紙・封筒・便箋

心優しい店主が元万引き犯からの手紙を読み、胸を打たれた。その内容と店主のコメントを、『Metro』などイギリスのメディアが伝えている。


■店に残されていた手紙

イギリスで暮らす3児の父ハリル・クルトさんは、ある学校のほど近くに店を2軒構え、細々と経営してきた。

ある日のこと、店の前に立っていたハリルさんはもう1軒のほうに入る客に気づき、接客するために向かったが、店に入るとその客の姿はすでになかった。

がっかりしたハリルさんは、カウンターの上に置かれている1通の手紙を発見。きれいな字で書かれた謝罪文に10ポンド(約1,736円)が添えられていた。


関連記事:9歳女児の提案で墓地にポストを設置 「天国の家族に思いを伝えたい」

■手紙に書かれていた内容

「何年も前のことです。今よりずっと若かった私は、このお店でアイスクリーム万引きしてしまいました」「謝罪するため、この手紙を書いています」。そんな文で始まる手紙には、過去の過ちを申し訳なく思っていることが丁寧に綴られていた。

手紙にはさらに「もう二度と盗みません」「自分の行為を償うため、10ポンドを同封しています」「私を許してくださることを願っています」とも書かれていたそうだ。


■意外な手紙に喜んだ店主

ハリルさんはメディアの取材に応じ、「グッときましたよ、このようなお手紙をもらうとは思ってもいませんでしたから」とコメント。また店には近所の学校に通う多くの子供たちがやって来ると明かす。

「お金がない子供にはお菓子をあげることもあるんです。僕はオジのような存在なんですよ」「ただ、子供たちにはちゃんとルールを守らせなくてはね」とも語った。

なおハリルさんが監視カメラの映像を確認したところ、手紙を置く生徒の姿が映っていたとのこと。しかし身元特定には至っていないようで、「誰かに頼まれて手紙を置いた可能性もあります」とハリルさんは語っている。


■近所で暮らす人の声

店の近くで暮らすデヴィッドウィンスキルさんも取材に応じ、「きっと長いあいだ(万引き行為を)後悔していたんでしょう」「今も良心を失っていない人がいる…この件について知った多くの人がそう感じ、喜んでいるはずです」と語った。

怖いニュースが多い毎日だが、善良な心や常識を失っていない人は確かにいる。改めてそう感じて癒やされた人も少なくなかったようだ。

・合わせて読みたい→謝罪文とお金同封で44年ぶりに図書館へ返却された本 「まるでタイムカプセル」

(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

万引きを後悔する人物が店にお金と謝罪文を残す 「グッときた」と店主は感動