福山雅治主演の日曜劇場「ラストマン-全盲の捜査官-」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系) の第8話が6月11日に放送された。皆実(福山)とのバディとしての関係性が揺らぐ真実を知ってしまった心太朗(大泉洋)。福山と大泉、2人の芝居が見応えある展開となった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】泉(永瀬廉)から皆実(福山雅治)らのことを聞く佐久良(吉田羊) 班メンバー

■皆実の真意を知る心太朗

同ドラマは、全盲の人たらしFBI(米連邦捜査局)特別捜査官・皆実広見(福山)と、犯人逮捕のためには手段を選ばない孤高の刑事・護道心太朗(大泉)がバディを組み、難事件に挑む。1話完結の完全オリジナルストーリーとなる。

心太朗のおいで正義感が強い捜査一課の警部・護道泉を永瀬廉(King & Prince)、心太朗が室長を務める人材交流企画室の技術支援捜査官・吾妻ゆうき今田美桜、捜査一課で検挙数トップのチームを率い、心太朗とは犬猿の仲である佐久良円花を吉田羊、心太朗の兄で泉の父親である護道京吾を上川隆也、心太朗と京吾の父で由緒正しい警察官僚の家系を守ってきた護道清二を寺尾聰が演じる。

皆実が自分をアテンド役として指名したのは、刑務所にいる実父・鎌田(津田健次郎)に会うためだったと知った心太朗。第8話は、そんな2人の行く末が注目された。

■皆実とのバディを解消する心太朗だが…

冒頭からしびれるやり取りを見せた。皆実の真意を知り、これまでのことがうそだったのだと傷ついた心太朗。

皆実は「うそではありません。あなたと二人で世の中のために事件を解決してきた事実に変わりはありません。護道さんに最初に会ったときに私の命を預けられるいいバディになれそうだと感じたことは本当…」と話すが、心太朗は「ふざけんな!」と遮った。

そして立ち去ろうとする心太朗に皆実が「あなたの父親は本当に悪人だったのでしょうか」と問い掛けると、「そんなことは今さらどうだっていい!」と心太朗。だが、皆実は「あなたは真実を知ることから逃げているだけですよね」と続けた。

心太朗は何も返さずに部屋を出て行き、そのまま京吾の元へ。人材交流企画室の任を降りた。

そんななか、吾妻に付き合ってもらい、41年前の事件で第一発見者だった元捜査一課長に会いに行こうとした皆実がバスジャックに遭遇し、犯人の清水(京本大我/SixTONES)に撃たれてしまう。

■最後の小ネタまで福山雅治大泉洋が熱い芝居を見せる

清水が自分の情報をSNSで拡散するように指示したことで佐久良らもすぐに捜査に動いた。捜査陣の連携もよかったが、皆実が信頼を寄せたのはやはり心太朗だ。犯人のすきをついて吾妻が投げ捨てたハンカチにあった皆実のメッセージを汲み取り、事件を解決へと導いた。

それから1週間後、回復した皆実は研修期間終了を早めてアメリカに帰国することに。「空港までお送りします。この日を心待ちにしていました」と皮肉を言う心太朗に、皆実は心太朗の実父が本当にお金のために放火殺人をしたのかと疑問を呈した。それは心太朗を通して鎌田の姿が見えてきたからだった。

「この事件の裏にはもっと複雑な事情が隠されているはずです」と皆実。そして鎌田の動機が分かったとき、「護道さんは今よりももっとつらい現実を突き付けられるかもしれません」と言った。

そんな皆実に心太朗は「あなたは私を恨んでないのですか」と聞いた。子どもだったとはいえ、41年前の事件をみれば、自分たちの立場が真逆だからだ。それに対して皆実は「あなたこそが過去に縛られた男、ラストマンだったようですね」と返した。

心太朗は皆実も41年前の事件を調べようとしていることで「過去にひきずられている」と言ったが、皆実の胸にあったのは「前に進みたい」という思いだった。そのためにFBI捜査官となったのだ。だが、1人では無理があると、もう一度心太朗に「私の目になっていただけませんか」と申し出て、心太朗は受け入れた。

41年前に人生が大きく変わった2人。熱い思いを秘めている皆実と、揺れ動いた心太朗。皆実の意思があったとはいえ、引き寄せ合い、バディとしての相性は確かに良かった。冒頭とラストで繰り広げられた福山と大泉の2人芝居は、皆実と心太朗がそれぞれ41年間抱えてきたものと、これまでに築き上げられた関係性をしっかりと見せた。

最後に大泉がしばしば物まねする福山のいい声を、福山自身があえてする小ネタで締めくくるまで、福山と大泉による芝居の醍醐味(だいごみ)を味わえた。

真の意味が明らかになったタイトルが日本のみならず、世界のTwitterのトレンド1位を獲得。SNSには「ラストマン同士。過去に決着を。しびれるなぁ」「今日の脚本はしびれるねぇ」「胸熱展開」などの感想が上がった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

福山雅治と大泉洋の芝居に引き込まれる1時間に/(C)TBS