完全復調の兆しを見せている大谷。とりわけ打撃面では手が付けらない状態に入りつつある。(C)Getty Images

 大谷翔平エンゼルス)の打撃の状態が上向いている。

 現地6月11日に本拠地で行なわれたマリナーズ戦に、大谷は「2番・指名打者」で先発。5打数3安打の大暴れでチームの9-4の勝利に貢献した。

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 前日までに2試合連続本塁打を放つなど状態が上向いていた大谷は、この日も鋭いスイングで快音を響かせた。先頭打者として入った3回の2打席目にライト前に痛烈なライナーのヒットを放ち、8試合連続安打を記録した。

 これで勢いに乗った背番号17は、4回無死一、二塁の第3打席、8回無死一塁の第5打席にいずれもライト前ヒットをマークし、チャンスを創出。今季7度目となる猛打賞を記録した。

 5月末には13三振を含む、33打数5安打と低調なパフォーマンスが続き、一部で「スランプ」を指摘されていた大谷。しかし、直近7試合で打率.393、3本塁打、6打点、出塁率.452、長打率.821と6月に入ってからはすこぶる好調で、打撃面に関しては不振を脱した感がある。

 1打席当たりの得点創出の多さを評価する指標WRC+(151)や、総合的な貢献度を表す指標WAR(2.0)でもチームトップに君臨する。そんな大谷は、打者として出場試合(65)、打席(254)、本塁打(18)、打点(46)、出塁率(.359)、長打率(.579)、安打(73)、OPS(.930)、盗塁(9)の9項目でもトップに立っており、WARを加えるとなんと11冠。やはり彼の存在はエンゼルスにとって必要不可欠と言えよう。

 この偉才に導かれるようにエンゼルスは、本拠地での6連戦を5勝1敗で駆け抜け、地区2位のアストロズとは2.5ゲーム差にまで詰めている。依然として地区首位のレンジャーズとは7.5ゲーム差があるが、今の勢いを維持できれば、シーズン終盤に優勝争いを演じられる可能性は十分にある。

 当然、そのためには、大谷が現在の調子を保ち続けるのもひとつのカギになる。はたして、バッティングで快音を響かせている天才は、このまま走り抜けられるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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