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 見知らぬ誰かの生死の瞬間に、命をかけて救助に努める消防士たちのヒーローストーリーは数多く存在するが、たいていはそこで物語が終わってしまう。

 だが、2歳の時に消防士に命を救われた男性は、この23年間、彼のことをずっと忘れずにいた。

 助けられた命を繋いで父親になった男性は、今年になって命の恩人と再会。ちょうど、自分が救われた時と同じ2歳という年齢になった息子を、彼に紹介した。

【画像】 燃え盛る建物から2歳男児を救出した消防士

 ザビエル・ディンプルズさんは、今から23年前、当時2歳だったときに、自宅が火災に見舞われ、家の中に閉じ込められた。

 危機を救ったのは、消防士のジェフ・オースさんだ。オースさんは、燃え盛る建物に勇敢に入り込み、ディンプルズさんを救出すると、庭で蘇生を試みた。

 命を取り留めたディンプルズさんは、その後病院へ搬送され、1か月間昏睡状態に陥ったが、無事に回復した。

 オースさんの命がけの救助がなければ、ディンプルズさんは生き続けることはできなかった。

 ディンプルズさんは、自分の命があるのはオースさんが助けてくれたからこそだと、その恩を決して忘れることはなかった。

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命の恩人と23年ぶりに再会

 火事から23年経ったディンプルズさんは、25歳になり、家族をもつまでに成長した。

 5月30日、ディンプルズさんはオースさんとの再会が23年ぶりに叶ったことを、自身のツイッターでシェア。

 そこには、2歳になった息子を抱きながら、オースさんと笑顔で対面しているディンプルズさんの姿がある。

 生死の境をさまよった当時2歳だった自分の年齢と同じ年齢に成長した息子を、命の恩人であるオースさんに、実に23年ぶりに紹介することができたのだ。

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 ディンプルズさんは、このようにツイートした。

私が2歳のとき、家が火事になり、中に閉じ込められた私は、あのまま死んでいたことでしょう。

でも、消防士のジェフ・オースさんが、私を建物から救出し、生き返らせてくれました。

23年後の今、彼は私の2歳の息子を抱いています。

文字通り、彼なしでは私はここにいないのです。

23年の時を経て2人は現在友人同士に

 多くの現場で、たくさんの命を救っているオースさんにとって、当時の出来事も命をかけた職務の1つだったことだろう。

 だが、23年ぶりの再会は、2人にとって感慨深いものになったようだ。

 ディンプルズさんの投稿に、オースさんは次のように返信した。

君は根っからのファイターだ。正直に言うと、23年前のあの日、君の命を救うことができるかどうかと、私を本当に怖がらせてくれたよ。

でも、君が命を救われたという結果には、とても感謝している。

 23年前、悲劇のなかで出会った2人は、この再会がきっかけで友情を育める関係になったという。

 ディンプルズさんは、ツイッターでこのように語っている。

私に人生のチャンスを与えてくれたオースさんには、恩返しすることなど決してできません。

私ができるのは、彼と私の息子のために素晴らしい人生を送ることだけです。

彼は、私の命の恩人です。

 きっと、2人の友情は生涯にわたり続いていくだろう。

References:Firefighter who rescued toddler from burning building meets the boy's son 23 years later / written by Scarlet / edited by parumo

 
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燃え盛る火災現場から2歳の男の子を助け出した消防士、その23年後に感動の再会