スペイン代表に初選出されたDFロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ)が、UEFAネーションズリーグ(UNL)2022-23・ファイナルズに向けた記者会見に臨んだ。11日、スペイン紙『アス』が伝えている。

 1996年11月11日生まれのル・ノルマンは現在26歳。フランス・パビュ生まれの同選手はスタッド・ブレストでプロデビューを果たすと、2016年夏にレアル・ソシエダに加入した。2シーズンをBチームで過ごした後、2018-19シーズンにトップチーム昇格。ここまでクラブ公式戦通算178試合に出場し、2019-20シーズンのコパ・デル・レイ優勝にも貢献している。

 カタールW杯後に退任したルイス・エンリケ前監督の後任として就任したルイス・デ・ラ・フエンテ監督とスペインサッカー連盟(RFEF)から、スペイン代表への鞍替えを提案されて、今年5月にスペイン国籍を取得したル・ノルマン。その後、フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督とも連絡を取り合ったことを明かした上で、同選手は「スペインでの8年間はレアル・ソシエダとともに成長し、彼らから多くのことを学んだよ。だから、RFEFと代表監督から連絡を受けたとき、とても簡単に決断することができた。家族と話して、僕自身の気持ちを確かめて、素早くね」と口にしつつ、「(デシャン監督からも連絡はあったけど)RFEFの人々、監督、家族、チームメート…すべてが信頼できるものだった。迷いはなかった。彼が僕を見てくれたことに感謝するが、自分自身のなかでは、この信頼がすべてを非常にシンプルにして、スペインに行くことを選んだ」と決断の背景を語った。

 またル・ノルマンは、レアル・ソシエダでの過日を回顧。昨シーズンはラ・リーガの欠場が1試合のみと、ディフェンラインの要となっている同選手は「クラブは僕にほとんどすべてを与えてくれた。正直なところ、(ラ・レアル加入当初は)セグンダB(当時の3部相当)でプレーできるレベルにも到達していなかったよ。何時間もビデオを見続け、苦しみ、同じ練習を繰り返した」と告白。続けて「(イマノル・)アルグアシルはとても重要な存在。クラブとチームメイトに感謝しなければならない。フィジカル面で良いベースを築いていたけど、戦術面、技術面は弱点だった」と苦悩の日々を振り返った。

 最後に、ル・ノルマンは「フランスが非常にうまくいっていることは明白。だけど、そのことは決断には関係ない。自分がどこが良いと感じ、どこが自分だと思い、どこが自信に満ちているかは明確だった」と強調。さらに「この2日間で、僕は正しい選択をしたと実感している。とても優秀な人々や選手と一緒に過ごしてね。クオリティ、プレー、すべてにおいて、非常に優れた選手が揃っている。僕たちは何も恐れる必要がない。チームが働いた結果がどうなるかを見てみよう」とスペイン代表としての活動に手応えを感じているようだ。

 生まれ故郷の隣国スペインに到着して、まもなく8年目に突入するル・ノルマン。ついに、“ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)”にまで上り詰めた同選手は第2の故郷をUNLファイナルズ初優勝に導くことはできるのだろうか。準決勝のイタリア代表戦は、15日に行われる。

スペイン代表初招集のル・ノルマン [写真]=Getty Images