女優・菊池日菜子が、NTTドコモの新たな映像配信サービス「Lemino」(レミノ)にて6月13日(火)配信されるドラマ『放課後ていぼう日誌』に出演する。原作は「月刊ヤングチャンピオン烈」で連載された小坂泰之による同名漫画で、アニメ化もされた人気作品。4人組の女子高生たちが漁港の堤防でゆるい釣りをするという、「ていぼう部」の日常が描かれる。

【写真】吸い込まれそう…上目遣いで微笑む菊池日菜子

そして本作で大野真役を演じる菊池は、映画「月の満ち欠け」の出演で第46回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した若手女優だ。本記事では注目度の高い菊池にインタビューを行い、本作の魅力や役者を志したきっかけなどを語ってもらった。

■1本の映画をきっかけに助産師から俳優業の道へとシフトチェンジ

――大野真役を演じるにあたって、役作りで苦労したことはありますか?

大野真はなんでも器用にこなしてしまう女の子なので、体に染み込ませないとできないという不安があったんですが、事前に釣りの練習の機会を設けていただいて、そこで釣り監修の方に親身に教えていただきました。自分で言うことではないんですが、「意外と向いてるのかもしれない」と思うことが多々ありました(笑)。

1番苦労したところは、特殊な釣りの所作をしながら、釣り用具を早口でたくさん話すシーンです。そのシーンを撮る前日からずっとセリフを唱えていました(笑)。あと、どういう所作をするのか直前に教えていただくことが多いので、現場では結構あたふたしてしまって (笑)。

下手に見せるのもすごく難しいですし、慣れているように見せるのも難しいので、お互いにそれぞれの苦労を持ちながら、撮影期間は高め合って頑張りました。

――日本アカデミー賞では新人賞を受賞した菊池さんですが、受賞してから役者としての取り組み方に変化はありましたか?

やっぱり賞をいただくまでは「誰かに自分のお芝居が届いてる」という感覚があまりなくって、なんとなく自分の世界だけでがむしゃらにやっていたんですが、新人賞をいただいてからは反響もありましたし、「見てくださってるんだ」という実感がありました。

もちろんうれしいことではありますが、それと同時に「表情1つにしろ表現1つにしろ、どういう風に映ってどういう風に感じ取ることができる芝居なのか」ということをちゃんと考えないといけないなと覚悟を持った瞬間でもありました。

――役者を志そうと思ったきっかけがあれば教えてください。

昔から母の影響で映画を観ることが多かったのですが、福岡でモデルのレッスンスクールに誘っていただいたことをきっかけに、映画を観る視点が「ただエンタメを楽しむ側」ではなく、「演じる人はどういう気持ちで演じているのか」とか「どういう熱量でこの感情を出しているのか」とかそういうところに目がいくようになって、気づいたら「私もやりたい」と思うようになっていました。

「私の中のあなた」という映画に出てくるケイト役、ソフィア・ヴァジリーヴァさんのお芝居を見たときに「これができるようになったら、どれだけの人を感動させることができるんだろう」と思って。

以前は助産師を目指していたんですが、それ以上の興味と好奇心が沸いてしまったので、母に頭を下げてお願いしました(笑)。

■憧れの女優は高畑充希

――今後どのような役柄や芝居をしてみたいですか?

今回の『放課後ていぼう日誌』では本当に現実にもいそうな子の役を演じさせていただいたんですが、今後は“殺人鬼”とか“サイコホラーな役柄”にも挑戦してみたいなと思っています (笑)。

映画「キャラクター」に出演するFukaseさんを見たときに、内なる狂気を感じて「こんな役を演じてみたいな」と思って。どこまで自分が狂気的な感情を出せるのかっていう興味もあり、いつかやってみたいなと思っています。

――今目標にしていることや、目指している女優像はあったりしますか?

こうなりたいっていう目標を1つ決めると柔軟性が失われるような気がして、あんまり決めないようにはしてるんですが、昔から高畑充希さんがすごく大好きで。お芝居の幅の広さと繊細さをどっちも兼ね備えている女優さんとしてすごく憧れているので、いつか高畑充希さんのようなお芝居ができるようになれたらいいなと思っています。

――最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。

Instagramを苦手ながらも細々やっているんですが、たまにダイレクトメッセージで、私の出演作を観た感想とかをすごく丁寧に書いて送ってくださる方がいて。そういった方々に、今よりももっと成長したお芝居を見ていただくことが1つの指針になっています。いつか必ずお届けできるように頑張りますので、長い目で見守ってくださればと思います。

■ドラマ『放課後ていぼう日誌』ストーリー

都会から引っ越してきた高校1年生鶴木陽渚(莉子)は生き物全般が苦手なインドア派。堤防を散歩中、先輩の黒岩悠希(鶴嶋乃愛)と出会ったことをきっかけに半ば無理やり謎の「ていぼう部」に入部させられ釣りをはじめることに。

最初は釣った魚を触ることもできなかった陽渚だが、天真爛漫な野生児・帆高夏海(池間夏海)、無口だが魚の知識は抜群の大野真(菊池日菜子)からなる個性豊かな部員たち、釣りを通して出会う人々の中で次第に釣りの楽しさと奥深さに気づいていく。「釣ったら食べる」がモットーの「ていぼう部」で女子高生4人組の釣りライフがはじまる。

『放課後ていぼう日誌』に出演する菊池日菜子/撮影=安田まどか