パリ・サンジェルマンPSG)所属のフランス代表FWキリアン・エンバペに、今夏の退団の可能性が浮上しているようだ。12日、フランス紙『レキップ』やイギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。

 現在24歳のエンバペは、モナコで頭角を表すと、1シーズンのレンタル加入を経て2018年夏にPSGに完全移籍。ここまで公式戦通算260試合の出場で212ゴール98アシストを記録し、5度のリーグ・アン制覇や3度のクープ・ドゥ・フランス(国内カップ戦)優勝に大きく貢献している。昨年夏にはレアル・マドリードへの移籍が濃厚と報じられた中、PSGとの契約を2025年夏まで延長した。

 しかし、昨年夏に締結した新契約の内容は、2024年6月30日までの2年契約+1年間の延長オプションであることが複数メディアの報道によって明らかに。契約延長オプション行使の権利はエンバペ側に委ねられており、その期限は今年の7月31日に設定されているという。すなわち、延長オプションが行使されないまま8月を迎えた場合、エンバペの現行契約は来年の6月末で満了を迎えることとなる。

 そして今回の報道によると、エンバペに契約延長オプションを行使する意向はなく、12日午後には書簡にてその旨をクラブ側に通達したという。かねてからエンバペとの契約延長交渉に臨んでいたPSGは、今回の出来事に衝撃を受けているとのこと。同選手の今夏の放出については、これまで一切考慮していなかったものの、延長オプションの行使期限まで2カ月を切った中、方針を変更する可能性もあるようだ。

 エンバペのフリー放出を何としても避けたいPSGは、契約延長オプションが行使されなかった場合には、同選手を今夏に売却する可能性が高いと『レキップ』は指摘。また、移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏も自身の公式Twitterにて「PSGの立場は明らかだ。新契約を締結するか、今夏に放出するかどちらか」と伝えている。また、同氏によると、PSGエンバペが今夏に退団した場合の緊急計画を既に作成しているという。

 昨夏に続き、2年連続で去就に大きな注目が集まることとなったエンバペ。元スペイン代表DFセルヒオ・ラモスアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに続き、今夏にPSGを去ることになるのだろうか。

エンバペがPSGとの契約延長を拒否? [写真]=Getty Images