陸上自衛隊74式戦車より重いんですよね。

2025会計年度中の部隊編成を予定

アメリカ陸軍は2023年6月10日、バージニア州フォート・ベルボアにある国立陸軍博物館で開催された陸軍創立記念フェスティバルにおいて、新型戦闘車両の型式並びに愛称がM10ブッカー」に決定したと発表しました。

M10ブッカー」は、従来「MPF」と呼ばれていた車両です。これは「Mobile Protected Firepower」の略で、日本では「機動防護火力」車両などと訳されます。MPFは、アメリカ陸軍が推し進める歩兵旅団戦闘チーム(IBCT:Infantry Brigade Combat Team)の戦力を強化する一環で調達が計画された新装備で、アメリカ国防総省は2022年6月28日に、開発元のゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)と生産に関する契約を締結したと発表していました。

主武装は105mm砲で、重量は42t、空輸が可能で機動力に優れているのが特徴です。なお、アメリカ陸軍ではM10ブッカー」は戦車ではなく戦闘車両(Combat Vehicle)という見解で、軽戦車(light tank)ですらないと明言しています。

ちなみに本車の愛称は、2003年のイラク戦争で仲間を救うために自らの命を投げ出し、死後に殊勲十字章を授与されたスティーボン.A.ブッカー軍曹と、1943年チュニジアで英雄的な行動により死後に名誉勲章を授与されたロバート.D.ブッカー軍曹、この2人の軍人に由来するそうです。

アメリカ陸軍は、開発プログラムにおけるMPFの取得目標数を504両としており、最初の生産車体は2025会計年度後半に配備予定で、同会計年度第4四半期に最初の部隊が編成される予定としています。

バージニア州フォート・ベルボアにある国立陸軍博物館で開催された陸軍創立記念フェスティバルにおいて披露されたM10「ブッカー」戦闘車両(画像:アメリカ陸軍)。