SNSやマッチングアプリなどで知り合った相手に好意を抱かせ、偽の結婚の約束をすることで言葉巧みに騙して不当に金銭を送金させる、いわゆるロマンス詐欺。犯人は海外在住者をターゲットにすることが多く、国際ロマンス詐欺とも言われているが、このほど南アフリカで4人の女性が同じ男に騙されていたことが発覚した。南アフリカのニュースメディア『IOL』などが伝えている。

南アフリカの警備・救急会社「Reaction Unit South Africa」が6月6日、クワズール・ナタール州に住む女性4人が同じ男からロマンス詐欺の被害に遭ったことをFacebookで報告した。

ロマンス詐欺を仕掛けた男は、米カリフォルニア州ロサンゼルス在住の独身のパイロットを騙り、ラヴィクマー(Ravi Kumar)と名乗ってFacebookで女性に友達リクエストをし、口説き始める。ラヴィと女性はFacebookでしばらくチャットをして交流を深めた後、より手軽にメッセージが送り合えるメッセージアプリ「WhatsApp」で連絡を取るようになる。WhatsAppを利用するには携帯電話番号を登録しなければならないが、ラヴィの電話番号は「39」から始まり、イタリアの国番号だった。

ラヴィは、ハートをたくさんあしらったメッセージを数週間にわたり送り続け、女性の気持ちが傾いた頃を狙い、「プレゼントを送りたい」と言って女性に住所を尋ねた。そして1万5千ドル(約208万円)の現金が入っているという段ボール箱の画像とともに、「お金と一緒にiPhone、ウィッグ、香水を送ったよ。僕が南アフリカに着く前にクイーンのようになっていてね」とメッセージを送り、女性にプロポーズしたのだ。

その後、ラヴィは「アメリカから送った段ボール箱が税関で止められている。通関にお金がかかるから送金してくれないか」と女性に依頼した。他にも、銀行カードを紛失して空港で立ち往生しているなどと伝えて送金を依頼したり、段ボール箱の話をちらつかせながら5千ランド(約3万7千円)をその都度要求したという。

投稿されている本人画像は、パイロットの制服を着た凛々しい姿のラヴィが、コックピットをバックに撮影されたものが使われている。アメリカ在住のパイロットというステータスに憧れ、将来の安定性を期待したとされる女性たちの被害総額は合計9万7千ランド(約71万円)だった。

今回のロマンス詐欺に、SNSでは「典型的な詐欺の手法」「お金を要求する時点で無視するべき」など騙された女性たちの落ち度を指摘するコメントや、一方で「人がどれほど孤独で愛情を求めていることか」「こういう男は逮捕されるべき」といった声もあがっている。また家族や友人がこういう被害に遭いかけたと明かす人も多く、「私の同僚が、ある男からの荷物を受け取るために4千ランド(約3万円)を払わなきゃと言って、周りの人にお金を借りようとしていたの。それは詐欺だよって同僚に教えて、男にも私からはっきり指摘してやったのよ。その男は『彼女とは愛し合っている』と言いつつも、あっという間にいなくなったわ」というコメントも見られ、ロマンス詐欺はいまだに横行しているようだ。

画像は『IOL 2023年6月8日付「Four KZN women swindled out of R97 000 after being conned by bogus pilot」(Picture: RUSA)(Picture: RUSA/Se-Anne Rall)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト