大繁華街にあって「昔からの建物が結構残る」エリア、いよいよ総建て替えの時期です。

老朽化すすむエリア

東京都は2023年6月7日(水)、渋谷駅西側の繁華街の入口となるエリア「道玄坂二丁目地区」を「街並み再生地区」に指定したと発表しました。

街区再編を含めた街づくりのベースには、都が2003(平成15)年に制定した「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」があります。このなかで「街区再編まちづくり制度」に基づいて再生計画が作られ、実行されていきます。

対象地区は、道玄坂と文化村通りがY字に分岐するエリアで、道玄坂南側および、Y字に挟まれた街区の計8.5ヘクタールです。SHIBUYA109から、西端は松濤郵便局~道玄坂上交番のラインまで至ります。渋谷センター街は含まれていません。

この地区は渋谷駅周辺の中でも昔ながらの商業ビルが残っており、老朽化が進んでそろそろ建て替えラッシュの時期を迎えています。権利者がそれぞれ好きに建て替えしていくのではなく、ある一定の街の方向性を決めて、皆で横並びに古い建物を取り壊し、エリア全体で新しいものを作っていくというのが、行政主導の街づくりの考え方です。2021年4月からすでに勉強会がすすめられ、地区計画も決定。南側の一部はすでに再開発事業が決定済みです。

街並み再生方針ではそこまでドラスティックな変化が道玄坂に訪れるわけではないようです。いまの賑わいを重視し、道玄坂・文化村通りの沿道は、建物高さを60~70mに制限。「歩いて楽しいウォーカブルなまち」の方針は現状と変わりません。百軒店エリアや道玄坂小路といった路地の空間も回遊性を活かされます。

変化としては、ここに足りないものとして「エンタテイメント系機能のより高度な集積に加えて、それらを支える宿泊施設等の機能の誘導」が求められているとしています。また道玄坂の歩道は拡幅され、坂道だらけの本エリアにあってバリアフリーな順路が確保される予定です。

とりあえずおおよそのルールが決まったという段階で、具体的にどこに何を作るかが、検討されていくこととなります。

渋谷の文化村通り。画面右側の街区が再開発対象(画像:写真AC)。