アメリカではこれまで幾度となく、政府や情報機関による「地球外生命体」関連情報や、それを記した文書の隠匿が問題視されてきた。そんな中、6月5日に「未確認空中現象」(UAP)の分析に携わった人物が、政府機関が地球外生命体などに関する情報を違法に隠蔽していると、実名で告発したのだ。世界中のUFO研究家の間に大きな衝撃が走ったのは、言うまでもない。

 今回、防衛・科学ニュースサイト「デブリーフ」や、ニュース専門局「ニューズネーション」のインタビューで政府による隠匿を告発したのは、2019年から2021年にアメリカの情報機関のひとつである国家偵察局(NRO)のUAPタスクフォースに所属した空軍の退役軍人、デビッド・グラシ氏だった。

 グラシ氏が言うには、アメリカをはじめ、中国やロシアなど「同等に近い敵対国」では、数十年前から各地で墜落・着陸した「乗り物」や破片の回収作業が行われている。その回収物の形状や材質の技術情報解析により、国家偵察局ではそれを「非人類由来」として、間違いなく「地球外生命体は存在する」と断定しているのだ。さらには、宇宙船とみられる物体から「パイロットの遺体」も発見されているのだと。

「グラシ氏自身は物体の写真を見たことはないものの、情報機関職員らの間では、半ば公然の秘密になっている。ただし、国家安全保障上の理由から、証拠を公表できない状況にあるそうです。これが事実であれば、確かに政府が重要情報を隠蔽していることになりますが、タスクフォースに所属していた元軍人の証言とあって、信憑性の高さが伺えますね」(UFO研究家)

 UFO隠匿に関するアメリカ政府の機密文書といえば、つとに知られるのが、1987年に公開された「MJ-12 文書」だ。この文書には、1947年にロズウェルに墜落したUFOを米軍が回収したこと、さらに脱出した宇宙人の遺体を発見したこと、それを偽るため気象観測用気球であるとのニセ情報を使った隠蔽工作が図られたことなどが記されている。UFOが存在する決定的証拠として、当時、それはセンセーショナルに報じられたものだ。

 しかしその後、政府文書では使用されないゴム印の形や、透かし部分が入っていないことなどから、文書は捏造された可能性があるとの指摘が続出。その後もUFO目撃証言などはあったものの、信憑性に欠けるものが少なくなかった。

 そんな中で突然の空軍退役軍人による告発に、UFO研究家の間からは「MK-12 文書」以来の衝撃だ、との声が鳴りやまない。

ジョン・ドゥ

アサ芸プラス