非営利活動法人ZESDA(代表理事:桜庭大輔、所在地:東京都中央区、以下ZESDA)は、研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会と共同で、2023年6月7日にビジネスパーソン向け書籍『新版 プロデューサーシップのすすめ』(紫洲書院)を発売いたします。本リリースでは、書籍の内容を簡単にご紹介します。

■「戦わなければ生き残れない!」――って、本当にそうだったっけ……?

書店や電車の中吊り広告などで見かけるビジネス書の多くは「この過酷な世界を生き残るには、他人と競争して勝たなければいけない」というメッセージを訴えかけてきます。しかし、本当にそうなのでしょうか?

2023年6月7日NPO法人ZESDAが研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会とともに企画したビジネス書『新版 プロデューサーシップのすすめ』が発売されます。この本は、平たく言えば「日本社会でイノベーションを起こすためのヒント集」です。

しばしば「日本ではイノベーションが起きにくい」と言われ、新規産業が出てこなかったために直近30年の日本経済は停滞していた……とされます。

しかし、なぜ日本ではイノベーションが起きにくいのでしょう?

私たちの仮説は、「日本社会全体が有名起業家の強いカリスマ性に注目し過ぎるあまり、バラバラの個人をつないで大きな成果を導くプロデューサー人材の育成を軽視してきてしまったから」というものです。

日本ではイノベーションというと、「起業家やイノベーターという『主役』がものすごく頑張って、いろいろな人にアプローチし、たくさん学んで、必要な資源を獲得して事業を成し遂げるものだ」というイメージがあります。しかし実際のイノベーションの現場を観察すると、むしろ周囲のさまざまな人々が起業家たちに働きかけ、プロジェクトを成功へと導いていったことが見えてきます。

■仲間と協働しながらコトを成し遂げる方法がある!

本書が提案するのは、「競争」「サバイバル」ではないシゴトの進め方、すなわち「プロデュース」です。1人よりも2人、2人よりも3人、3人より10人……より多くの人を巻き込んで、チームを作って協力し合ってきたからこそ、人類社会はここまで進歩してきました。

私たちZESDAも、国内外で地方創生をはじめさまざまなプロジェクトを展開していますが、そのなかで大事にしている方法論が「プロデュース」です。自分たちで実践するのはもちろん、研究開発やイノベーションに関する経営・政策を研究し、学術団体「研究・イノベーション学会」と連携して、各界で人と人とをつなぎ価値を創出してきたプロデューサー人材を招いたセミナーを数多く開催してきました。

本書は、必ずしも本人自身が華々しい成功を収めて世間から注目を集めているわけではないけれども、集団のクリエイティビティを引き出してきたプロデューサー人材の手腕に注目します。彼ら彼女らに共通する「隠れたリーダーシップ」、それを生むマインドと技術はどのようなものなのか。豊富な事例から法則性を導き出し、一般のビジネスパーソンが明日からでも実践可能なノウハウへと落とし込んでいます。

なかなか変わらない会社で働くことがつらくなっている人、やりたいことがあるのに組織の空気や掟でがんじがらめになって動けない人、他人と競争し「蹴落とす」タイプのビジネス社会に馴染めない人……そんなビジネスパーソンのみなさんに、「こういう仕事のやり方があるんだ」と感じてもらえる内容になっているはずです。また、一般のビジネス書のように「読んでいるときだけ元気になる」のではなく、じわりじわりと自分や周囲の仲間たちが前向きな方向に踏み出していけるヒントをたくさん収録しています。

■今回はKindle版も同時発売。値段も1,250円と約半額に!

本書は2021年8月に発売された『プロデューサーシップのすすめ』(以下、旧版)を底本とし、内容を加筆修正し【新版】として発売する書籍です。よりビジネスパーソン向け、実践的な内容になるように大幅改訂をおこなっています(特に「はじめに」には、研究・イノベーション学会前会長・東北大学名誉教授の原山優子先生、電気通信大学客員教授・内閣府地域活性化伝道師の久野美和子先生による書き下ろしを収録)。

また、旧版の価格が2,420円だったところ、新版(紙書籍)は1,980円とし、Amazon Kindleストアにて同時発売する電子版は1,250円(※)と、約半額となりました。ぜひこの機会に、お気軽にお手にとってみてください!

(※Kindle Unlimited(月額980円)に登録済みの方は、無料でお読みいただけます)

<Amazon販売ページはこちら(電子版も購入可能)→ https://www.amazon.co.jp/dp/4909896104/

<版元・紫洲書院のECサイト「ホンノカクレガ」での販売ページはこちら(※紙書籍版のみ)→https://www.shidzu-kakurega.com/items/75307149

■『新版プロデューサーシップのすすめ』目次


はじめに ──ビジネスに活きるマインドと技術、「プロデューサーシップ」とは
 電気通信大学客員教授/内閣府地域活性化伝道師 久野美和子
 東北大学名誉教授 原山優子
序論 プロデューサーシップを発揮するカタリストの3類型
 NPO法人ZESDA代表 桜庭大輔

第1章 Inspire
・【イントロダクション】「チエ」を用いた直接型の価値提供(桜庭大輔)
・「対話」から始めるチームプロデュース─テレビ番組制作の現場から(小堺正記/NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー )
・異分野をつなぐカタリストの条件─大学・企業を越境する研究プロデュース(伊藤正実/群馬大学研究産学連携推進機構教授)
・21世紀の主戦場・アフリカに種を蒔く─ ケニアで働くジェトロマンのプロデュース術(西川壮太郎/JETRO ナイロビ(ケニア)事務所長)
・IT技術を地域活性化にどう活かす? 「データシティ」福井県鯖江市の取り組み(福野泰介/株式会社 jig.jp代表)
・コラム プロデュースするということ─個人的な経験から(原島博/東京大学名誉教授)

第2章 Introduce型
・【イントロダクション】「コネ」を用いた間接型の価値提供(桜庭大輔)
・アカデミズムとビジネスの接点を創り出す─企業サイドからアプローチする産学連携(安田耕平・須藤慎/株式会社キャンパスクリエイト
・企業とクリエイターをつなぐ“流儀”とは? コミュニティ・プロデューサーの仕事術(堂野智史/クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック所長)
・プロデュースの技術は「華僑」に学べ!? 組織より「個」でつながるコミュニケーション術(永野剛/東京和僑会元事務局長)

第3章 Produce型
・【イントロダクションInspireとIntroduceを総合的に駆使したエコシステム運営(桜庭大輔)
・クリエイティブの荒野を開拓する─「富山デザイン経済圏」ができるまで(桐山登士樹/株式会社TRUNKディレクター、富山県美術館副館長、富山県総合デザインセンター所長)
・熱狂を生み出す「コトバ」づくり─アイドルプロデュースの現場から(伊藤公法/アイドルプロデューサー)
・キャラクタードリブンが生み出す創造性─1匹の“のら猫”がクリエイションの質を変えるまで筒井一郎(イアン/株式会社ヌールエ代表)
・10代から始める宇宙進出─「衛星設計コンテスト」が引き出した高専生のポテンシャル(島田一雄/東京都立航空工業高等専門学校名誉教授)
・コラム 「プロデューサー」に求められること(原島博)
・「脱優等生」を山形から育てる─風渡る米どころに生まれた生命科学フロンティア(冨田勝/慶應義塾大学名誉教授 ※構成:伊藤正実)
・非営利地域ファンドの挑戦─島根県民ファンドが示した「失敗OK」の精神(田辺孝二/東京工業大学名誉教授、同環境・社会理工学院特任教授)
・現役官僚が語る「シン・護送船団」編成法─“地デジ”世界進出のプロセスとは?(菱沼宏之/総務省郵政行政部企画課長)
・災害復興で求められる「調整力」とは? 東日本大震災西日本豪雨災害の事例に学ぶ(伊藤朋子/認定NPO法人かながわ311ネットワーク代表理事)
・息の長いイノベーションを導くロードマッピングの技術(大津留榮佐久/一般社団法人OSTi代表理事)

総括 プロデューサーシップとは何か(桜庭大輔)

【書籍情報】

タイトル:『新版 プロデューサーシップのすすめ』
発売日:2023年6月7日
刊行:紫洲書院
仕様:四六判/418ページ
ISBN:978-4909896100
定価:紙書籍版1,980円/電子版1,250円(共に税込)

【著者情報】
研究・イノベーション学会 プロデュース研究分科会(PSRI) http://zesda.jp/psri/
研究開発やイノベーションに関する経営・政策を研究し、学会として交流も行うことを目的に1985年に設立された「研究・イノベーション学会」を母体とし、「プロデューサーのあり方の研究」(プロデューサー人材の資質・スキルの解明)、「世代を超えたプロデューサー人材の知見と経験の伝授」、「協創出来る人材間のネットワーク・コミュニティの構築」を目指す任意団体。

NPO法人ZESDA(代表:桜庭大輔)https://zesda.jp/
2012年に20-30代のメンバーが中心となり立ち上げた、日本の技術と世界にあるニーズをつなげるプロデューサーの支援・育成を通じて日本企業のグローバル競争力の強化を目指す非営利団体。

久野美和子(くの・みわこ)

電気通信大学客員教授、内閣府地域活性化伝道師。千葉大学薬学部(微生物専攻)卒業後、民間の製薬会社を経て、経済産業省に転職。関東経済産業局では、情報、新規事業、地域産業活性化、地域政策企画等の分野で現場と政策の両軸活動を行う。その後、埼玉大学特命教授、2015年4月より現職。この間、現場の課題・ニーズや提案を政策立案・実践するために多くの方々と共創しネットワークを構築。つくばのオープンイノベーションプラットフォーム等、大学や企業・地域のイノベーション創発活動を支援。近年は経営デザインを軸として「経営士」としても活動し、明日の地域社会・産業づくりに励んでいる。共著に『人工知能と社会: 2025年の未来予想』(オーム社)。

原山優子(はらやま・ゆうこ

東北大学名誉教授。ジュネーブ大学博士課程修了。博士(教育学・経済学)。1996年にスタンフォード大学に客員生として滞在し、シリコンバレーの現象を分析。1998年よりジュネーブ大学経済学部助教授、2002年より東北大学大学院工学研究科教授。技術経営(MOT)、イノベーション論、産学連携などを教育・研究。2010年より経済協力開発機構(OECD)の科学技術産業局次長を務め、OECDイノベーション戦略の実装に従事。2013年~2018年に
総合科学技術・イノベーション会議常勤議員、2020年~2022年に理化学研究所理事。主著に『あなたは理系女子(リケジョ)? YUKO教授がつぶやく超「理系女子」論』(言視舎)など。

桜庭大輔(さくらば・だいすけ

NPO法人ZESDA代表。東京大学法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、オックスフォード大学で修士号を取得。官庁勤務のかたわら2011年、グローカルビジネスをプロデュースするパラレルキャリア団体・NPO法人ZESDAを創設するなど、官業を補完する各種活動に従事。研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会共同主査。

配信元企業:特定非営利活動法人 ZESDA(日本経済システムデザイン研究会)

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