岡田監督(写真)は今後、村上をどう起用していくのか注目だ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 6月13日セ・パ交流戦阪神オリックスのゲームでは、ハイレベルな投手戦が繰り広げられた。セ・リーグ首位の阪神は地元でのカード初戦に今季、エース級の働きをみせている村上頌樹オリックスは球界No.1投手である山本由伸が、それぞれ先発のマウンドを踏んでいる。

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 試合はファンの期待に違わぬ展開となり両投手とも8回まで力投をみせる。村上は2失点を喫するも失策も絡んだことにより自責点は僅かに1、被安打4、9個の三振を奪った。しかし、山本は敵地でも圧巻のピッチングを披露し、阪神打線を2安打に抑え、自身今季最多の11奪三振を記録、チームも2-0で勝利している。山本はこの試合を終え規定投球回に到達、防御率1.59リーグトップに躍り出ており、勝ち星もこの日の勝利で今季6勝となり、トップタイに並んだ。

 点差が示すように、実力者同士の投げ合いとなったこのゲームには、両チームに大きな影響を及ぼしてきた球界OBからも見解が寄せられている。

 現役時代は阪急、オリックスで主力投手として活躍、引退後は阪神の投手コーチも務め日本一の投手コーチと称された佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を6月14日に更新、前夜の投手戦を振り返りながら、阪神の投手の起用法についても言及した。

 佐藤氏はこのゲームについて「村上も良いピッチングをしていた」と称えながら「阪神はチャンスらしいチャンスは無かった」「予想通り。さすがNo.1のピッチャー」として、古巣のエースへの賛辞をならべた。

 続けて佐藤氏は「僕もコーチを経験してきて、先発を決める時は相手ピッチャーのことも考えるんですけど」と前置きしながら「今の村上であれば70~80%は勝てる可能性はある実力は持っている。山本と当てたのはどうなのかなという気もする」と語っている。ローテーション通りではなく、村上で勝利するため登板日を移動させる選択肢も考慮すべきと見解を述べながら「首位にいるからこそ、なおのこと確実に白星に繋がる投手起用が必要」と主張。

 一方で佐藤氏は「今後、阪神の柱になっていく上ではこういう試練もある」として、村上のさらなる成長のためのゲームだったとも指摘し「相手のエースと投げ合って勝てるようになって初めて、チームの柱になれる」と話している。

 さらに「エースという立場はまだ先だけれども、こういう試合も乗り切っていかないといけない」と今後を見据え、今季台頭した24歳への期待の言葉を投げかけた。

 自身も現役時、投手陣の大黒柱として長く活躍し、指導者としても多くの才能を伸ばしてきた佐藤氏。チームの白星と、選手の成長を両立させてきた重鎮ならではと言えるコメントとなった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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