アガサ・クリスティの傑作ミステリーを、ケネス・ブラナーが監督・主演を務めて映画化する名探偵エルキュール・ポアロシリーズの第3弾『A Haunting in Venice(原題)』が、邦題を『名探偵ポアロベネチアの亡霊』として、アガサの誕生日である9月15日より公開されることが決定。不穏でミステリアスな雰囲気が漂う特報映像と場面写真が解禁された。

【動画】ケネス・ブラナー×ミシェル・ヨーらのアンサンブルが実現! 映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』特報

 “ミステリーの女王”の異名を持つアガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今なお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。最新作『名探偵ポアロベネチアの亡霊』は、1969年に発表された『ハロウィーン・パーティ』が原作。舞台をイギリスから第二次世界大戦後のハロウィーンを迎えた水上の迷宮都市ベネチアに移し、ポアロが常識を超えた超常現象の謎を解き明かしていく。

 一線を退き、ベネチアで流浪の日々を送るポアロは、朽ち果てた大邸宅で行われる降霊会にいやいやながら参加することに。そこで来賓の1人が殺害され、ポアロは影と秘密をはらんだ邪悪な世界へと足を踏み入れてしまう─。

 監督・主演を務めるのは、『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続きケネス・ブラナー。半自伝的映画『ベルファスト』でアカデミー賞脚本賞を受賞したことも記憶に新しい彼が、再び世界で最も有名な名探偵エルキュール・ポアロを演じる。

 そして今回も過去のシリーズと同様に、豪華キャストのアンサンブルが実現。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したミシェル・ヨーに加え、『ベルファスト』で親子役を演じたジェイミー・ドーナンとジュード・ヒルが本作で再共演を果たす。

 さらに、ゴールデングローブ賞の司会を務めたこともある女優でコメディアンティナ・フェイ、『ウエスト・サイド・ストーリー』のカイルアレン、『スティルウォーター』のカミーユ・コッタン、『ジョン・ウィックチャプター2』のリッカド・スカマルチョら実力派のキャスト陣が名を連ねる。

 今回解禁された特報映像では、美しいベネチアの運河を一望する絶景から一転して、ミシェル・ヨー演じる謎の霊媒師による降霊会の様子が描かれる。「さまよえる霊よ。声をお聞かせ下さい」と語りかけ、叫ぶ霊媒師。不穏な映像が次々と展開し、「我々は亡霊から逃げられない。たとえ実在しなくても」と意味深に語るポアロ。果たして、誰が事件の犠牲者になるのか。そして“ベネチアの亡霊”の正体とは何なのか―。

 場面写真は、険しい表情のポアロと霊媒師の姿を捉えたもの。引退を控えたポアロを取り巻く人々のドラマも描かれる、本格派ミステリーに期待が高まる。

 ケネスは、今回『ハロウィーン・パーティ』を映画化したことについて「登場人物が列車や豪華客船で、美しい風景をバックに移動して行くという壮大な旅行記の後は、ポアロや登場人物を一ヵ所に閉じ込めるのが面白いのではと感じたんだ」と説明。

 ミシェル・ヨーとの共演については「彼女との仕事はとても楽しかったよ。最高に幸せだった」と振り返り、「彼女は、スクリーン上で類いまれな存在感を放っていました。威厳に満ちていて、見事な表現力があり、そして人を惹きつける力がある。茶目っ気があり、楽しい。観客に本当に信じてもらうよう説得力を持たせるには、ミシェルが作品にもたらす深み、知性、そして静寂さが不可欠なのです」と称賛。ミシェルが今年度アカデミー賞主演女優賞を受賞した事についても「この当然与えられるべき輝かしい成功を収めたことを心から嬉しく思っています」と語っている。

 映画『名探偵ポアロベネチアの亡霊』は、9月15日より公開。

映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』場面写真 (C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.