毎週、新エピソードが放送されるたびに大きな話題となっている、テレビアニメ【推しの子】。その衝撃的なストーリーやアニメーションのクオリティの高さもさることながら、主題歌であるYOASOBIの『アイドル』もまた音楽チャートを席巻し、ストリーミングの再生回数が史上最速で2億回を突破するなど、人気の一翼を担っていると言えます。

そんなYOASOBIアイドル』は、海外でも高い人気を獲得していることをご存じでしょうか? 今回は、人気アニメ『推しの子』の主題歌であるYOASOBIアイドル』に対する海外の反応を紹介しましょう。

TVアニメ『推しの子』キービジュアル

TVアニメ『推しの子』キービジュアル

米ビルボードで1位を獲得!海外リアクターの反応は

アニメ『推しの子』は、日本のアイドルや芸能界の裏側などをメインの舞台としていますが、実は海外のファンにも好意的に受け入れられています。

その理由として挙げられるのは「アイドルもの」だと思っていた視聴者が第1話の衝撃的展開に文字通り衝撃を受け、一筋縄ではいかない作品だと感じたことが最たる例だとは思うのですが、実は第2話以降のSNSやレビューサイトの意見を見てみると「オープニングソングが良い!」や「主題歌最高じゃん!」といった意見が散見されるようになったのです。

CD『アイドル』YOASOBI (SME)

CD『アイドル』YOASOBI (SME

さらにビルボード「Global Excl.U.S.」では堂々1位を獲得。日本語で歌われた楽曲が初めて首位に輝く快挙を成し遂げました。その他にも各種チャートを席巻しています。異国の言語で異国のアイドルについて歌われた楽曲に海外のファンたちは熱狂しているのです。

アニメのオープニングで『アイドル』を知り、その後、ミュージックビデオを視聴することを決心したアニメリアクターFreshest Animeは、『アイドル』に対するリアクション動画を投稿。

「これまで『推しの子』を視聴していてオープニングをスキップしたことがない。流れるとついつい聴いてしまうんだ」と前置きしたうえで、同曲に対する正直なリアクションを見せてくれています。

リアクターは、歌詞の意味などを気にせず、ポップなサウンドを初めとした音楽センスにピンときたそうで、どういった意味の曲が歌われているのかを確認するために、英語版の『Idolから聴き始めます。

J-POP特有の転調に驚愕「なんなんだ、これは!?」

再生直後からノリノリの同リアクターは「曲調は明るいのに、とても悲しく聞こえてくるよ。なぜならこれは全てアイについて歌われているんだ……聴こえ方が変わってくるね」とコメント。

今まで歌詞の意味を理解できずに聴いていた海外ファンの正直な感想を聞くことが出来たような気がします。さらに同リアクターはアニメのオープニング部分しか聴いたことがなかったようで、中盤で曲調が変化する部分を初めて耳にします。

『アイドル』YOASOBI

『アイドル』YOASOBI

すると驚きを隠せないご様子でビートが変わったぞ!なんなんだこれは!?」とコメント。近年のJ-POP特有と言っても良い二面性を表現したリズムの変化に大変な衝撃を受けていました。そして思わず「アニメのオープニングにフルコーラスが入るように、どうにかして放送を2分長くしてくれ」と懇願。

その後も「最高にイケてるよ!」「この曲は別格だ」「この音の聞かせ方はどうなっているんだ!?」と絶賛が止まりません。最終的には「耳だけでなく、鼓膜を通り越して、脳を経由して、魂にまで降りてくるように感じるよ」と、これ以上ないほどの賛辞を送っていました。

リアクターは普段アニメのリアクション動画をメインに投稿しており、音楽のリアクション動画は撮影したことがないと言います。『アイドル』には、思わず動画を撮りたくなるほどの魅力があるということですね。

SNSにおける海外ファンたちの印象を見てみると、そのサウンドを褒めたたえるものが多く「途中でスローダウンするところが良い」やエレクトロニックなサウンドが最高」といった意見が多いのです。

「たとえ歌詞の意味が伝わっていなくても音楽は言語の壁を超越する」まさにそんな言葉がピッタリとマッチした結果だと言えるのではないでしょうか。

プロシンガーらがラップ部分の歌詞を聞くと‥‥

その一方で英語版における歌詞の秀逸さを評価する意見もあります。

YouTubeMr.Fuji from Japanではオーストリア人プロシンガーであるヤナさんとプロ級の歌唱力を持ったアメリカ人のバイロンさんが『アイドル』の凄さを分析しており、日本語と英語で同じような意味を持たせながら、同じような音になるように日本語と英語で韻を踏んでいると指摘。

例えば「誰もが目を奪われていく」というサビ部分。英語版では「That emotion melts all hearts,all eyes on you」となっており、発音としては「ダレモーション…」といったものになり、まるで日本語を歌っているかのように聞こえるのです。この部分には「ものすごいクール!」といった感想が飛び出しました。

その他にも「ダメダメ」が「Dammit,dammit」になっていたり、「ハイハイ」が「Right,right」になっているなど、まさに日本語と英語で韻を踏んだ形になっているのです。

これには「日本語版と英語版2曲を並べて流したらクイズ番組が成立するね」とコメントされていました。動画内ではボーカルのikuraさんの英語発音にも拍手が送られていました。

BEASTARS』第2期の「怪物」、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1期の「祝福」など、近年、アニメの主題歌になることが多いYOASOBIですが、作品が海外で配信されるたびに、主題歌への称賛の声が上がっている印象です。

YOASOBIというアーティストの楽曲は日本だけにとどまらず、世界に通用するだけの個性を持っているということでしょう。

推しの子』と「アイドル」が今後も海外で旋風を巻き起こし、そのニュースが我々の耳に届くことを楽しみに待ちたいですね!

(執筆:zash)

 

アニメ『【推しの子】』作品概要

アニメ【推しの子】ティザービジュアル

アニメ【推しの子】ティザービジュアル

<INTRODUCTION>
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」
地方都市で働く産婦人科医・ゴロー
ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。
彼女はある禁断の秘密を抱えており…。
そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
<STAFF>
原作:赤坂アカ×横槍メンゴ集英社週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:平牧大輔
助監督:猫富ちゃお
シリーズ構成・脚本:田中 仁
キャラクターデザイン:平山寛菜
サブキャラクターデザイン:澤井 駿
総作画監督:平山寛菜、吉川真帆、渥美智也、松元美季
メインアニメーター:納 武史、沢田犬二、早川麻美、横山穂乃花、水野公彰、室賀彩花
美術監督:宇佐美哲也(スタジオイースター)
美術設定:水本浩太(スタジオイースター)
色彩設計:石黒けい
撮影監督:桒野貴文
編集:坪根健太郎
音楽:伊賀拓郎
音響監督:高寺たけし
音響効果:川田清貴
アニメーション制作:動画工房

<CAST>
アイ:高橋李依
アクア大塚剛央
ルビー伊駒ゆりえ
ゴロー伊東健人
さりな:高柳知葉
アクア(幼少期):内山夕実
有馬かな潘めぐみ

<公式サイト>
https://ichigoproduction.com/

<公式Twitter>
https://twitter.com/anime_oshinoko

<原作情報>
原作コミック 1 巻~11 巻好評発売中!