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MTの方が排ガスが多い

フォルクスワーゲンは、2024年に実施予定のゴルフの製品改良で、次期排出ガス規制「ユーロ7」に対応するためにマニュアル・トランスミッション(MT)を廃止する方針だ。

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8代目に数えられる現行型ゴルフのフェイスリフトの一環として行われる見込みだが、ゴルフGTIにも影響を与えるものと予想されている。ゴルフは2024年、初代モデルの発売50周年を迎える。GTIはその翌年の1975年にデビューした。

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フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

英国では現在、ゴルフGTIのAT車は3万9435ポンド(約700万円)から販売されており、MT車より1500ポンド(約25万円)ほど高い。製品改良に伴い、ラインナップ全体が若干値上がりする可能性も考慮すると、4万ポンド以下で購入できるGTIはなくなるかもしれない。

フォルクスワーゲンの技術開発責任者、カイ・グリューニッツ氏はAUTOCARに対して「次世代ゴルフでは、マニュアルのギアシフトを持つものは存在しないだろう」と語った。この決定は排出ガス規制遵守によるものだというが、正式には決定していない。フォルクスワーゲンは、ユーロ7の規制案が固まる段階まで待っているものと予想される。

フォルクスワーゲンのデータによると、ゴルフGTIのMT車のCO2排出量は162g/kmで、AT車の160g/kmとはわずかな差だが、メーカーの企業平均排出量に大きな影響を与えるものだ。

ゴルフGTIのMT車は、50年近い歴史に幕を下ろすことになりそうだ。1975年に発売された初代ゴルフGTIは、クローズレシオの4速トランスミッションを搭載していたが、1979年に5速に変更された。それ以来、全世代のゴルフGTIにMT車が用意され、米国ではゴルフRにもオプションとして残されている(ただし、製品改良後は不明)。

現在、英国では標準的なゴルフの1.0Lまたは1.5Lのガソリンエンジン、または2.0Lのディーゼルターボにおいて、MTが選択できる。マイルドハイブリッドプラグインハイブリッドのモデルは、すでにATのみとなっている。

最も安い仕様は、MTの1.0L TSIで、2万6565ポンド(約475万円)から。一方、最も安いAT車は、これより2000ポンド(約35万円)近く高くなる。

ゴルフ以外のモデルが同様の影響を受けるかどうかは、まだ明らかではない。

MTを廃止する自動車メーカーは少なくない。ミニは最近、最後のMT車として特別仕様のJCWを公開し、メルセデスは2021年からAT車のみとなっている。


フォルクスワーゲン・ゴルフGTIからマニュアルが消える? 排ガス規制対応でMT廃止の流れ