ブライトンに所属するエクアドル代表MFモイセス・カイセドを巡る争奪戦に進展があったようだ。15日、イギリス紙『テレグラフ』やドイツメディア『スカイスポーツ』など複数メディアが伝えている。

 現在21歳のカイセドは母国クラブのインデペンディエンテ・デル・バジェの下部組織出身で2019年10月にトップチームデビューを果たした。2021年2月にブライトンに完全移籍で加入すると、同年8月から半年間はベルギーベールスホットへの期限付き移籍も経験し、2022年1月からブライトンに復帰。2022-23シーズンは公式戦43試合出場で1ゴール1アシストを記録し、中心選手としてクラブ史上初となる欧州大会出場権獲得に大きく貢献した。

 そんなカイセドには今冬の移籍市場から多くのクラブから関心が寄せられ、一時は移籍志願も表明し、クラブからはトレーニングに参加しないように通達されるなど、退団の可能性が浮上していたが、最終的には残留して今年3月には1年の延長オプションが付随した2027年6月30日まで契約を延長した。

 それでも、カイセドはブライトンと紳士協定を結んでいる模様で、同選手の評価額に達するオファーが届けば、同クラブは同選手の移籍を容認すると見られており、今夏の移籍市場でも去就に注目が集まっている。

 今冬から引き続き、アーセナルチェルシーが関心を示しているほか、バイエルンも興味を持っていることが報じられているが、今回の報道によると、カイセド自身はプレミアリーグでのプレーを望んでいることから、バイエルンへの移籍は望まず。

 さらに、今冬の移籍市場で総額7000万ポンド(約125億円)のオファーを提示していたアーセナルは、ウェストハムに所属するイングランド代表MFデクラン・ライスの獲得を優先しているため、イギリス紙『タイムズ』などによると、すでにカイセドの獲得レースからは撤退しているという。これらのことから、『スカイスポーツ』によると、カイセドはチェルシーに加入することを決断したことが伝えられている。

 しかし、カイセドがチェルシーに加入するためにはクラブ間で合意に達する必要があるため、実際に移籍が実現するかは不透明となっている。それでも、ブライトンが同選手の評価額を8000万ポンド(約143億円)以上に設定しているものの、『テレグラフ』ではブライトンが関心を示しているイングランド代表MFコナーギャラガーをこの取引に加えることで、チェルシーが移籍金の引き下げを狙っていることも伝えられており、今後の動向には注目が集まっている。

 今シーズンはプレミアリーグで12位に終わったチェルシーでは、フランス代表MFエンゴロ・カンテクロアチア代表MFマテオ・コヴァチッチなどの退団が濃厚になっており、アルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスの相棒としてカイセドを獲得することを熱望している。カイセド自身は移籍に前向きになっているようだが、果たして両クラブは合意に達することができるのだろうか。

去就に注目が集まるカイセド [写真]=Getty Images