徳重聡と浜野謙太が、現在放送中の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)に出演することが発表された。松本潤が主演、古沢良太が脚本を務める同ドラマは、誰もが知る徳川家康の人生を新たな視点で描く、一人の弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語。

【写真】浜野謙太が大河ドラマ3回目出演 織田信雄を演じる

■徳重聡が、徳川軍を窮地に追い込む池田恒興を演じる

大河ドラマ3回目の出演となる徳重は、“織田を捨て、秀吉を選んだ猛将”池田恒興を演じる。織田家の重臣で、本能寺の変後、清須会議で信長(岡田准一)の後継者の一人として頭角を現す。小牧長久手の戦いでは織田信雄を裏切り、恩賞狙いで秀吉方として参戦。徳川軍を窮地に追い込む、という役どころだ。

■浜野謙太が、岡田准一“信長”の息子・織田信雄役で出演

大河ドラマ3回目の出演となる浜野が演じるのは、“長いものに巻かれ続ける、父と真逆の人生”織田信雄。父・信長(岡田)とは似ても似つかない小心者。秀吉(ムロツヨシ)のあやつり人形として利用され、捨てられると家康(松本)の元へ駆け込み、小牧長久手の戦いのきっかけを生む。父と異なる抜群の生存本能で乱世を生き残る、という役どころ。

このたび、出演にあたり徳重と浜野がコメントを寄せた。

■徳重聡「私利私欲丸出しの印象を持っておりました」

――演じる人物の印象と、ご出演にあたっての思いをお聞かせください。

私利私欲丸出しの印象を持っておりましたが、台本を読んでやはりそういった印象をさらに持ちました。そういった印象をむき出しにして演じさせて頂こうと思いました。いち大河ドラマファンとして拝見させて頂いていましたので、出演する事になり驚きました。

――過去に出演された大河ドラマで印象に残っていることはありますか?

大久保一蔵役を演じさせて頂きましたが、私は鹿児島生まれでして、元々は大久保一蔵は西郷さんを裏切った裏切り者という印象がありました。が、演じさせて頂くにあたり、しっかりと勉強し直したら、維新三傑のこの国の礎を作った方、という事に気付き、今まで悪い印象を持っていた事を謝罪しにお墓参りに伺いました。

■徳重聡「どんな描かれ方がされていくのか楽しみ」

――古沢作品の印象を教えてください。

以前、「おいしいごはん鎌倉・春日井米店」(2007年)に出演させて頂きました。今までにない、初めて小心者で情けない役を演じさせて頂いたのでとても印象に残っております。

――ここまでの「どうする家康」をご覧になっていかがですか?

家康の描かれ方が今まで感じていたイメージと全く違う描かれ方をしていると感じていましたので、これから先、さらにどんな描かれ方がされていくのか楽しみです。

――秀吉役・ムロツヨシさんとのご共演についてお聞かせください。

ほぼほぼムロさん演じる秀吉に悪態を付いているかと思います。私のつく悪態に対して、リアクションもとても面白く、間の取り方などもとても演じやすかったです。二人がギラギラとやり合っている感じを楽しんで頂ければと思います。

■浜野謙太「信雄の伝記などを読んでがくぜんとしました」

――演じる人物の印象をお聞かせください。

子供の頃から戦国時代が好きなんですが、僕の謙太の謙は母が好きな上杉謙信からとったというのがきっかけでした。戦国大河は本当の夢だったので、どんな名将をやらせてもらえるのかとドキドキが止まらなかったんですが、信雄の伝記などを読んでがくぜんとしました。利用されて捨てられた激弱の武将。ただ追っていくと彼に共感することばかりでした。

芝居は、なれない人になる醍醐味(だいごみ)があると思うんですが、ある意味信雄は自分に近いかもです。自分に近い激弱くん。あの乱世においてとても人間感があるというか。そんな信雄を今は結構愛せている実感があります。

――過去に出演された大河ドラマで印象に残っていることはありますか?

西郷どん」(2018年)の伊藤博文役の時に明治天皇に頭を下げるカットがあったのですが、「『そんな浅い角度じゃ、無礼だ!』ってクレームきちゃいますよ」と監督に怒られました。やはり大河ともなると厳しい緊張感とともに撮影されてるのだなと感じ入りました。

――初めての“戦国大河”はいかがですか?

よろいを着られるのが本当にうれしくてはしゃいでいたら、本番ではかぶらないかぶとをかぶさせてもらえました。ただ、1日よろいのシーンの日は重すぎて、トイレもろくに行けず懲りてしまいました(笑)。これをしょっちゅうやっているレギュラーのみなさんお疲れ様です!

■浜野謙太「ムロさんはとっても優しい方」

――古沢作品の印象はいかがですか?

鈴木先生」(2013年)は個性豊かな生徒たちが何人も絡み合っている上に、劇場版では僕や風間俊介くん扮(ふん)する卒業生までが折り重なっていました。みんながみんなそれぞれにシビアな思考を抱えていて、それが不思議と愛らしく、かわいらしく魅せることができるということに畏敬の念とともに感動していました。そんな古沢作品の中の愛らしい一人として出演させてもらえることがとてもうれしいです。

――ここまでの「どうする家康」をご覧になった感想をお聞かせください。

戦国時代好きとしては今回の作りがとても好みです。三河衆の和気あいあいぶり、後の名将それぞれが成長していく感じが丁寧に描かれていたり、細かいところだと軍議の際にちゃんと大勢がいるのが、「合戦している」って感じで好きです。

――共演シーンの多い家康役・松本潤さんと秀吉役・ムロツヨシさんについてお聞かせください。

松本さんはリアルタイムの放送で見ていた頼りない家康と、撮影段階では全然違う雰囲気に変貌していたので驚き圧倒されてしまいました。ただ、信雄への態度の中にいろいろな感情が混じっていて、「ああ、信長だけでなくて、こんな形の愛をもった父である運命もあったのかな」なんて信雄の気持ちになれました。

秀吉はだいぶ冷酷残忍なところがあると思うのですが、ムロさんはとっても優しい方だと知っているので畏怖を忘れて笑いそうになってしまいます。昔共演した時に現場でエキストラの方々や集まってしまったオーディエンスを雑談で盛り上げているムロさんをリスペクトを持って見てました。

池田恒興を演じる徳重聡/(C)NHK