2019年から「働き方改革」に関連する法律が順次施行され、社会では働きやすい環境を作り、生産性を向上させるべく、時間外労働を是正する取り組みが行われている。例えば、これまで制限がなかった残業時間に、上限が定められるようになった。しかし、厳しく取り締まるようになったものの「残業が全然減らない」と叫ぶ者も多い。

【もはや異常事態!?】「大丈夫」という呪文を唱えて言い聞かす

そんな現代で社会問題となっている、残業。あおいしさん(@ao144444)も残業問題に直面する一人だ。あおいしさんの残業との闘いを「残業続きのねこが転職するまでの120日間の記録」と題し、自身の体験をねこを主人公にした漫画とインタビュー形式でお伝えしていく。過酷な労働環境ゆえに徐々に崩れていく精神と体のバランス。これは決して平常ではない…その当時の話をあおいしさんに伺いました。

――食べたいものが分からなくなっているような精神状態の中で、「大丈夫です」と言う姿が印象的でした。

「私が言う『大丈夫』は、実際は『大丈夫ではない』状態だったのですが、自分で『大丈夫』と呪文のように言い聞かせるということで、大丈夫なふりをしていました。大丈夫と思いこまないと、職場でやっていけなかったのです。誰かに相談するという考えもなく、一人でどうにか持ちこたえようと必死でした」

――眠れなくなる、文字が読めなくなるなどの不調に、「追い込まれている」という感覚はありましたか?

「はい、『追い込まれている』感覚はありましたね。特に自分が大好きな本が読めなくなったのは、本当に驚きとショックがありました。今までは辛いことがあったときに、本を読んで癒やされ、乗り越えてきたので…。その癒やしの本が読めなくなったのは自分の中で一大事でした。その時、自分が精神的にまずい、追い込まれていると感じました」

――当時を振り返り、読者に伝えたいメッセージはありますか?

「体や精神の不調が出たときは、一刻も早く休んだ方がいいと思います。私は『休む』ことが怖くてできず、追い込まれるところまで来てしまいました。今となっては、当時たくさん有給があったので、思い切って休職すればよかったなと後悔しています。『休む』こと『逃げる』ことも、少しの勇気だと思います」

過酷な労働の果てに、心身ともに蝕まれ始めている、あおいしさん。労働環境を変えることから「働き方改革」は始まる。残業続きのねこが、労働地獄から抜け出すことはできるのか…!?

※プライバシー保護の観点から個人が特定できないよう配慮を加えています。

「残業続きのねこが転職するまでの120日間の記録」より/漫画=あおいし