好青年の代表と言えば俳優のパク・ボゴムだ。整った容姿や180cmを超える抜群のスタイルはさることながら、常にフレッシュな爽やかさがあり、天使のような眩しい笑顔を振りまく。おまけに90度のお辞儀が代名詞となるほど礼儀正しい。完璧なスターであることはパク・ボゴムの大きな魅力の一つだろう。“国民の彼氏”と呼ばれ「婿にしたい」との声も上がり、幅広い世代の心を掴むのも納得である。数多くの広告モデルに選ばれ、CM起用数もトップクラス。

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さらに、2015年にはパク・ソジュンやソン・ジュンギも担当した音楽番組「ミュージックバンク」のMCに抜擢され、今年の4月に開催された韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれる第59回百想芸術大賞では4度目となる司会を務めた。その人気ぶりは国内にとどまらず、アジアでも認知度を広めて人気を博し、韓国のトップを走る最旬の若手俳優として注目されている。6月16日に30歳を迎え、キャリアを積むごとに輝きが増すパク・ボゴムを作品とともに紹介していきたい。

■善悪のギャップを見せる演技力が抜群…不器用な天才演技で大ブレイク

俳優デビューとなったのは2011年の映画『ブラインド』だ。その後も「ワンダフルラブ〜愛の改造計画〜」や「のだめカンタービレ 〜ネイル カンタービレ」などの作品を経て、2016年に出演した「君を憶えている」では二面性を持つ敏腕弁護士を演じ、KBS演技大賞で助演男優賞と人気賞を受賞。好感度が高い役柄の印象があるが、この作品では悪の顔でインパクトを残し、善悪のギャップを見せた演技力が評価された。

そして若手スターの登竜門として有名な「応答せよ」シリーズの「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」で一躍ブレイクを果たす。ソウルオリンピックが開催された1988年を舞台に、ソウルの小さな町に住む幼なじみの男女5人とその家族のハートフルな物語だ。ここでは囲碁以外は何もできない不器用な天才囲碁棋士テクを演じ、たった1人の女性でヒロインのドクソン(ヘリ)に恋をする。三角関係の恋愛模様が描かれ、控えめだったテクが大胆になっていく様子や甘いシーンでは多くのファンを魅了した。

■時代劇の大ヒットでナンバーワンの韓流スターに!本人が歌った挿入歌も話題に

地上波で初主演となり代表作でもある「雲が描いた月明り」は、最高視聴率25.3%を記録し大ヒットに導く。ツンデレイケメン世子のヨンを演じ、男装したヒロインとの王宮ラブストーリーは胸キュンのオンパレードで人気が加速。小顔と高身長スタイルで着こなす韓服は凛々しくもあり美しく釘付けになってしまう。

表情豊かにヨンを演じながらダンスまで披露し、パク・ボゴムをまるっと堪能できるドラマである。すっかりハマってしまい何度も視聴するファンも続出した。2016年のKBS演技大賞では本作で最優秀男優賞を受賞し、地上波の主演・時代劇に初挑戦したのにも関わらず栄光を掴む。若手ナンバーワンの韓流スターと呼ばれる地位を築く作品となった。

またドラマのOST(Original Sound Track)が話題となり、挿入歌の「愛しい人」を本人が歌っている。高校2先生の時にインターネット上にピアノの弾き語りを公開したところ注目を集め、芸能事務所のオーディションを受けて芸能界入りしたパク・ボゴムは歌でも視聴者を虜にする俳優なのだ。2019年には日本で歌手デビューしており、「Bloomin′」をリリースしている。

必殺技は純愛ラブロマンス!女心をくすぐるピュアな涙

“年下彼氏”として人気が爆発したのは「ボーイフレンド」。旅先のキューバで出会った年上女性のスヒョン(ソン・ヘギョ)と彼が演じるジニョクは上司と部下になって再会し恋に落ちる。年の差や立場の違いを乗り越えようとするが、うまくはいかない。ジニョクの純粋で一途な健気さに惹かれると同時に切なさも倍増させた。なかでもストレートな愛情表現は、スヒョンのような心を開きにくい女性にも刺さる。ピュアな涙を流すパク・ボゴムにつられて何度も心を動かされる場面も多く、純愛ラブロマンスには欠かせない存在となる。

主演を務めた「青春の記録」は若者たちの夢や挫折を乗り越えていく甘苦い青春ストーリー。Netflixで配信され、2週連続で世界ランキングトップ10入り、日本を含めた香港、マレーシア、タイなどのアジア圏でも上位にランクインした注目作である。無名のモデルから俳優のトップスターに駆け上がる過程において、夢を追いかけるも立ちはだかる壁や葛藤、それでも諦めずに進む姿、人気絶頂で入隊などが描かれ、パク・ボゴムそのものだと話題に。ドラマでの表彰式スピーチは、2016年にKBS演技大賞の最優秀男優賞を受賞した時の彼とリンクし、感慨深くなったファンもいたことだろう。名場面となったのは、家族からは俳優になる夢を反対され、厳しい現実ばかり突きつけられる中、布団の上でボロボロと大粒の涙を流すシーン。若者がぶち当たる困難、もどかしさや悔しさを表現し共感を呼んだ。

■バラエティ番組での素顔も大好評…次期作はIUと共演

パク・ボゴムの最大の魅力は誠実さにある。バラエティ番組で彼の素顔を見て好感度が増した人も多いはずだ。「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」の双門洞4兄弟が出演する「花より青春アフリカ編~双門洞4兄弟~」では、純粋すぎる一面やチャーミングな面をのぞかせた。豪華俳優陣が集合して話題沸騰した「青春MT~Re:メンバーアゲイン~」でもメンバーやスタッフへの細やかな気遣いがあり、どんな時もニコニコと笑顔を絶やさずにいたパク・ボゴム。ファンや共演者、スタッフにまで誰からも愛されるキャラクターであることが伝わる。この番組がきっかけで、代表作の「雲が描いた月明り」を視聴したとの声も多い。真面目で誠実な人柄が唯一無二の俳優パク・ボゴムを作り上げたのだろう。

さて、待望の次回作となる「本当にお疲れ様でした」(Netflixで配信予定)が控えている。「サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜」や「椿の花咲く頃」のイム・サンチュン作家と「ミセンー未生ー」や「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」のキム・ウォンソク監督がタッグを組み、主演をパク・ボゴムとイ・ジウン(IU)が飾るとなり、早くも大注目されている。1950年代に済州島で生まれたスエンとグァンシクの人生を描いたドラマで、パク・ボゴムは口数が少ないが鉄のように芯が強いグァンシク役を演じる。入隊前に撮影をした映画『SEOBOK/ソボク』(21)では感情をあらわにしない人類初のクローン人間という難役で繊細な感情を伝えていた。除隊後の復帰作となるドラマでは一段とパワーアップした姿に期待し、楽しみに待っていたい。

文/ヨシン

子犬のような目で女心を掴むパク・ボゴム/[c]SPLASH/AFLO