犬や猫、熊や羊など、動物をモチーフにしたキャラクターは多数。その中でもウサギは特に、かわいらしさから根強い人気を誇る存在である。

しかし現在ツイッター上では、このウサギをモチーフにした、とあるLINEスタンプに「凶悪すぎる」と、戸惑いの声が多数寄せられているのをご存知だろうか…。

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■かわいいウサギ、何かがおかしい…

14日、とあるツイッターユーザーが「このうさぎのスタンプ好きすぎてハマってる」と綴ったツイートを投稿。

ツイートには、丸みを帯びた形状にデフォルメされたウサギのLINEスタンプが写ったスクリーンショットが添えられており、どこかとぼけた表情に思わず破顔してしまう。

いつものうさちゃん(格ゲーマーのすがた)

しかしこちらのスタンプ、特定の界隈の人物が目にした際は、思わず鳥肌が立ってしまうほどの「極悪さ」が秘められているのだ…。


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■一体、どういうことなのか?

スタンプのウサギを見ると、体と左手を覆う形で「青い四角」と、左手付近に「赤い四角」が計4つ確認できる。一見すると「サーモグラフィー」のデータのようにも思える光景だが、こちらは格闘ゲームにおける「視覚化された当たり判定」に他ならない。

キャラクターを操作し、対戦相手のキャラを攻撃して体力を減らしていく格闘ゲームだが、こちらの攻撃には大きく分けて「攻撃判定」と「喰らい判定」の2つが存在する。

「攻撃判定」は「攻撃モーションの中で攻撃として認識される部位」を意味し、「喰らい判定」は反対に「相手からの攻撃がヒットする部位」を意味するのだ。

当たり判定」の範囲を理解するのは、格ゲー各タイトルにおいて非常に重要。例えば、視覚的には「どう見ても目の前を殴っているだけ」にも関わらず、その一歩先に攻撃判定が発生する技や、「明らかに技が当たっているはずなのにすり抜けている」キャラは珍しくない。

このバランスが崩壊すると、一気に「クソゲー」「クソキャラ」の烙印が押されること必至だが、極端に身長が高い(低い)キャラや、横幅が大きい(小さい)キャラなどは、外見そのままの判定を付与すると、それはそれでゲームバランスが崩れてしまう。

制作側はそうした面を考慮して「当たり判定」を調整しており、その結果「しゃがむとデブ」(立ちモーション時は普通だが、しゃがみモーション時は横に喰らい判定が広い)や「愛されボディ」(どう見ても当たっているのに技が繋がらない)などと称されるキャラが、今日もどこかで産声を上げているのだ。

いつものうさちゃん(格ゲーマーのすがた)

これらの判定は勿論、ゲームプレイ中は視覚化されないが、開発画面や攻略本等では「攻撃判定」を赤、「喰らい判定」を青で視覚化するケースが多い。さて、これらの説明を踏まえた上で、もう一度ウサギのスタンプを見てみよう…。


■「クソ判定すぎる」と驚きの声

耳周りに喰らい判定が全く無いのはギリギリ許容範囲(人によってはアウト)、技を繰り出している左手周辺の喰らい判定はごくごく平均的なものだろう。しかし見過ごせないのは、左手の「攻撃判定」である。

明らかに自身の体格と同程度の「攻撃判定」が前方に出現しており、バグを疑うレベル。格ゲー未経験者に分かりやすく説明すれば、これはウサギの手の先の赤い部分が触れると「視覚的には手が触れていないにも関わらず攻撃を喰らう」という意味だ。

この異常性について触れた前出のツイートは、投稿から2日足らずで8,000件以上ものRTを記録するほど大きな話題に。他のツイッターユーザーからは「クソ判定すぎるだろ…」「この技だけを雑に振ってても勝てそう」「これは完全に強キャラ」「ウサギかわいいのに、判定がガチでエグい」などなど、驚きの声が多数上がっていたのだ。

いつものうさちゃん(格ゲーマーのすがた)

記者の格ゲー界隈の知人からも「2F(フレーム)で購入しました」との報告が寄せられており、もはや格ゲー界の「覇権スタンプ」と言えるかもしれない。

なお、スタンプ制作者からは「スタンプのうさちゃんの技ですが、立ち小パンです」と、これまたヤバすぎる事実が公表されている。そこで今回は、話題の格ゲースタンプについて、制作者・みやまさんに話を聞いてみることに…。


■バズり具合に作者も驚き

話題のLINEスタンプは、7日よりリリースされた「いつものうさちゃん格ゲーマーのすがた)」に収録されたもの。

いつものうさちゃん(格ゲーマーのすがた)

エグすぎる立ち小パンを振るうさちゃん以外にも、対戦相手を煽るうさちゃんや、負けを認めないうさちゃん、弾技や無敵技を繰り出すうさちゃんなどが収録されており、格ゲーマーの日常会話には欠かせないスタンプが勢揃いしている。

いつものうさちゃん(格ゲーマーのすがた)

みやまさんは、2日にリリースされたゲームソフト『ストリートファイター6』による盛り上がりを受けて「ネット対戦中や日常にも使いやすく、格闘ゲーマーらしい、煽れるスタンプがあれば盛り上がれるかな」と感じ、これらのスタンプを製作したという。

またスタンプのリリース時、こちらの立ち小パンは「使い所が少なそう」という理由から、あまりアピールしていなかったことも判明。そうした背景もあったスタンプが未曾有のバズりを見せたのだから…人生、何がどう転ぶか分からないものである。

一連のバズりについて、みやまさんが「皆さん、ぶっ壊れキャラが好きなんだな〜と思いました(笑)。『MELTY BLOOD』のキャラクターと比べる声が多かったのも印象的ですね。ぜひ、こちらのスタンプで存分に小Pを擦ってほしいです」「自分ではとてもバズらせられなかったので、ツイート主の方に感謝しております」と振り返っていたのが、じつに印象的であった。

イラストレーターとして活動中のみやまさんは、他にも「うさちゃん」シリーズのLINEスタンプを製作したりと、精力的に活動中。見た目に合わず「ぶっ壊れキャラ」なうさちゃんスタンプを入手して、鬼強判定の小パンを気軽に振ってみよう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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