ガーシーと闇社会の関わりはこれに終わらない。一時期ガーシーは、ヒットマンが自分を狙っていると主張していた。配信した動画内では、「3人のヒットマンがいて、2人は止められたが、1人はドバイまで来て、本当に命が危なかった」と語ってもいる。

 言ってしまえば、ガーシー本人のみぞ知る、いわば眉唾モノの話である。西日本の独立団体で幹部を務める現役ヤクザはこう言う。

「狙われた? そんなんタマ(命)取るほどの価値もないよ。リスクが大きすぎる。それに今どきはヤクザだって組員も少ないんだ。わざわざドバイまで若い衆飛ばして殺す、なんてことはありえない」

 一方で、こんな別の意見も。アウトロー事情に詳しいライターの根本直樹氏が、とある組織の幹部を取材した際、こんなことを漏らしていたそうなのだ。

「昔からのつながりで、バックにヤクザのケツモチがいる芸能事務所はまだ存在します。それに、ガーシー自身も、芸能界とつながる『ヤクザアテンダー』の縄張りを荒らし、詐欺行為を働いてドバイに飛んでいますから、そういう連中が『身柄を押さえようと躍起になっていたのは事実』と言うんです。ただ、殺してもメリットは全然ない。本人はそう思い込んでいるかもしれないが、そんな目立つことをやったら、今度はヤクザ側が目をつけられますからね。ケジメとして、金を絞れるだけ絞ろうとしていたんです」

 いずれにせよ、ドバイで接触を図った人物が、いわゆる「殺し屋」だった可能性は低い。仮に本物のヒットマンが暗躍していたとしても、逮捕・勾留されている今のガーシーを手にかけることはもはや不可能に近いはずだ。

 根本氏が言う。

「逮捕された現状に、ホッとしていると思います。ガーシーは不逮捕特権を狙って議員になったり、逮捕されないと見込んでドバイに滞在していましたけど、当時見込まれていたのは、大方の示談が済んだ詐欺罪だったし、今回の逮捕容疑も言ってしまえば刑期の短いションベン刑ばかり。サッと帰国して裁判すれば不起訴だってあったはずです。それでも帰ってこなかったのは、逮捕が怖かったんじゃなくてヤクザ半グレにガラを押さえられるのが怖かったからでしょう。だからむしろ、今は逆に、多少の長期刑すら期待しているかもしれません」

 長いお務めともなれば、少なくとも生命を脅かされることはない。本人は今、ドバイの高級ホテルとは程遠い日本の狭い留置場で、何を考えているのだろう?

アサ芸プラス