タレントや俳優でも親子で活躍する人たちは珍しくないが、声優界にも親子で活躍する“二世声優”がいる。今回は父の日にちなんで、実は親子な声優に注目。父と父譲りの演技力を持った子どもが共演した作品やキャラクターも紹介しよう。

【写真】三石琴乃、阿澄佳奈ら人気声優たちの意外な前職とは?

野島昭生(父)&野島裕史(長男)・野島健児(次男)

 父の野島昭生海外ドラマナイトライダー』のキットなどを代表作に持つ声優で、息子の野島裕史野島健児も声優として活躍している。共演としてはアニメ『スケアクロウマン』で主人公・スケアクロウマンの声を裕史が演じ、音楽家・シュタインの声を昭生が担当。そして、シュタインの青年期を健児が演じているので、この作品で夢の親子3人共演が実現している。

 ちなみに、健児の長男である透也も2020年に声優デビューしており、声優デュエット企画「以声伝心~DUAL VOICES~ 野島健児×野島透也」で親子共演を果たしている。

子安武人(父)&子安光樹(息子)

 『銀魂』高杉晋助役、『ジョジョの奇妙な冒険ディオ役などの代表作を持ち、声優事務所「ティーズファクトリー」の代表取締役も務める子安武人。息子の子安光樹は2019年に声優デビューし、ティーズファクトリーに在籍している。2人は武人が原作・脚本・出演の朗読舞台『アリドロ』で共演経験があり、ラジオ番組『武人・光樹のKOYASU RADIO』では親子でパーソナリティーという珍しい形での共演を果たしている。

山口勝平(父)&山口竜之介(息子)、山口茜(娘)

 国民的アニメONE PIECEウソップ役や『名探偵コナン工藤新一役で知られる山口勝平には、声優として活躍する息子・山口竜之介と娘・山口茜がいる。竜之介は2016年に『ONE PIECE』のりゅーのすけ役で父・勝平と共演。また、2022年8月に放送された『超逆境クイズバトル!! 99人の壁 ワンピースクイズ王決定戦』(フジテレビ系)というクイズ番組では、挑戦者に立ちはだかるブロッカーとして親子出演も果たしている。

 一方、茜はアニメ『宇宙なんちゃらこてつくん』におたま役で出演し、じいちゃん役の勝平と共演。さらに、落語を題材にした漫画『あかね噺』(「週刊少年ジャンプ」連載)のボイスコミック版では主人公・桜咲朱音を茜、朱音の父・桜咲徹を勝平が演じ、本物の親子で親子役を演じたことがある。

亡き偉大な父の思いをつないで活躍する実力派声優たち

野沢那智(父)&野沢聡(息子)

 野沢那智さんは、アラン・ドロンやアル・パチーノブルース・ウィリスの吹替、アニメ『スペースコブラ』の主人公・コブラ役で知られる声優で、2010年10月に死去。72歳だった。

 息子の野沢聡は舞台俳優・声優として活躍する役者で、那智さんが亡くなった後は、彼が演じられた役に深く関わる役を担当している。『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』では、デビュー間もない若き日のアル・パチーノの声を担当。『ダイ・ハード/ラスト・デイ』では、主人公・ジョン・マクレーンブルース・ウィリス)の息子・ジャックの声を担当した。

大塚周夫(父)&大塚明夫(息子)

 2015年、85歳で死去した大塚周夫さん。アニメでは『ルパン三世』や『ゲゲゲの鬼太郎』、洋画ではチャールズ・ブロンソン、リチャード・ウィドマークの吹き替えなど、数々の作品で活躍してきた声優界屈指の名優だった。息子は父譲りの演技力で、現在も多くのアニメや吹き替えで活躍する大塚明夫。キャリアが長い2人は『ONE PIECE』、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』など同じ作品に出演したことも。

 また、周夫さんが担当していたアニメ『忍たま乱太郎』の山田伝蔵役は明夫に引き継がれており「父を身近に感じられるという意味で、何よりも得難い形見となりました。父の仕事を汚さぬ様、大切に大切に演じていきたい」とコメントをしていた。

(左から)野島昭生、野島健児