飼い主と散歩中、アメリカ・オレゴン州の海岸近くにある崖から犬が90m以上下に転落した。飼い主はすぐに消防隊に連絡したが、彼らの装備では無理と判断。
そこで同州の沿岸警備隊員の手にゆだねられることとなる。
ほぼ垂直の崖の下に落ちた犬を助け出すのは訓練された警備隊にとっても至難の業だった。ヘリコプターから崖の下におろされた警備隊員は、犬の近くにたどり着き、そのまま犬を抱きかかえてヘリコプターに引き上げられた。
再会した飼い主は、愛犬を救うために尽力してくれた人全員に心からの感謝の言葉を伝えた。犬は、その後順調に回復に向かっているようだ。
US Coast Guard Rescues German Shepherd Who Fell 300 Feet
6月14日、オレゴン州キャノンビーチ消防署は、キャノンビーチ近くのエコラ州立公園の崖から、ドリーというメスのジャーマン・シェパードが90m以上転落したという通報を受けた。
駆け付けた同消防署は、ドリーを救助するためにロープを使って、崖の斜面を懸垂下降しようとしたが、助け出すことができなかった。
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そこで、消防署はオレゴン州沿岸警備隊「USCGパシフィック・ノースウェスト」に支援を求めて連絡し、空からの救助が開始された。
沿岸警備隊によると、ドリーが閉じ込められたビーチの一部は、ハイキングコースから懸垂下降でのみアクセス可能だという。
救助用ヘリコプターを出動させた沿岸警備隊アストリア航空基地の5人の乗組員は、負傷した犬に近づく最も安全で効果的な方法は、水泳に長けた警備隊員を降ろすことだと判断した。
ヘリコプターでドリーを引き上げることに成功
動画で公開された沿岸警備隊によるドリー救出の様子を見ると、高くなっている波がドリーに打ち寄せ始めているが、ドリーはほとんど座った状態のままだ。
二等航空生存技術士のクレイトン・メイドウさん(32歳)は、ドリーがいる海岸まで泳いで行った後、ドリーが負傷していることに気づき、チームでレスキューバスケットを使ってドリーをヘリコプターに吊り上げた。
その結果、乗組員はドリーとメイドウさんの両方を、安全な場所まで引き上げることに成功した。
メイドウさんはヘリコプターに乗り込むと、ドリーを落ち着かせるために犬と一緒に救助バスケットに座り続けた。
すると、ドリーはとても安心した様子で、メイドウさんの膝の上に頭をつけていたそうだ。
救助劇の後、乗組員はこのように話した。
犬は、怖がっていて体が冷たかったが、とても人懐っこく、とても従順だった。救助用バスケットに吊り上げられている間も、落ち着いた様子だった。
Coast Guard spokesperson explains helicopter rescue of dog who fell down cliff
奇跡的な幸運で救助されたドリー、飼い主と再会
ドリーは、エコラ州立公園の駐車場で飼い主と再会した。
ビデオでは、ドリーの飼い主が救助隊員のメンバーに、大きなハグをして感謝を伝えている姿が捉えられている。
その後、ドリーは飼い主によって救急獣医師のいるクリニックに連れて行かれたという。
翌15日、ドリーの飼い主が沿岸警備隊に連絡したところによると、ドリーに骨折はなく、完全回復する見込みということだ。
過去1年間、アストリア航空基地の救助隊は、ドリーが転落した現場から少なくとも5人を救出したが、付き添いのない犬を救出したことは一度もなかった。
また、沿岸警備隊員も2022 年 10 月以来、合計 17 人を救助しているが、今回のように犬を単独で救助したことはなかったそうだ。
いずれにしても、ドリーが90メートル以上のほぼ垂直の崖の下に落下して、軽傷で済んだのは奇跡であり幸運だったと、救助隊員は驚きと喜びをあらわにしている。
References:Dog Who Plunged 300 Feet Over Oregon Cliff Gets Dramatic Rescue/ written by Scarlet / edited by parumo
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