紺野彩夏が主演を務めるドラマ「サブスク彼女」(毎週日曜深夜0:55~/ABCテレビDMM TV独占配信)の第7話が6月18日(日)に放送・配信開始。サブスク彼女のサービス終了を控えた男女5人の、様々な“別れ”が描かれた。

【写真】服を脱ぎコースケ(望月歩)に関係を迫るなーちゃん(寺本莉緒)

■「サブスク彼女」サービス終了を控えたそれぞれの別れ

本作は、突飛な設定に現代の若者観を盛り込み、SNSを中心に話題を呼ぶ山本中学の同名漫画を実写ドラマ化。月額定額制のサブスクリプションと恋愛をモチーフに、今を生きる若者たちの恋に揺れる心情を瑞々しくもリアルに描いたサブスク×ラブストーリーとなっている。

本命として選ばれない虚しさと、恋愛感情を搾取され続けてきた苦い体験から脱しようとする女子大生のトモを紺野彩夏が演じるほか、高校時代からトモのことを一途に思う同級生のコースケを望月歩、好きな男性に尽くしすぎてしまうなーちゃん寺本莉緒、そんななーちゃんセフレにする役者志望のヨリを内藤秀一郎、トモの取り組みに興味を持つバリキャリOLのスミレ逢沢りなが演じる。

コースケの働きかけもあり、1ヶ月後にサブスク彼女のサービス終了を決めたトモ、なーちゃんスミレの3人。男性に搾取されない恋愛方式に惹かれてサブスク彼女になった彼女たちの思いが交錯する第7話では、様々な形の別れが描かれた。

■トモは臆病な自分と決別

最初に描かれたのは、トモの臆病な自分との決別。ある日、トモは昔ながらのカセットテープを買って音楽を聴いていた。

A面とB面に分かれており、それぞれに収録された音楽を聴くためにはカセットを裏返す必要がある。そんな風に手間がかかるカセットテープがまるで自分のようだと思うトモ。以前の彼女は同じように手頃なサブスクに自分を重ね、逆に所有してもらえるカセットテープやCDを羨ましく思っていたはずだ。しかし、大事にされたいがためにコースケを拒絶し、たくさんの苦難を強いた。

そのことに気づき始めた時、トモのもとに以前身体の関係があったカズキ(柾木玲弥)から、彼女と別れたので会いたいという連絡が入る。そんな風に不誠実な男性がいる一方で、コースケのように正面から「好き」と言ってくれる人もいる。その「好き」は永遠に続くとは限らない。それでも誰かに愛されたいと願った過去の自分のためにも、トモはコースケの思いを信じることに決めるのだった。

なーちゃんとヨリに訪れた気づきとは

一方、コースケはなーちゃんから身体の関係を迫られていた。借りていたお金を返すという名目で巧妙に自分の家にコースケを連れ込んだなーちゃん。ヨリとは違い、誠実で優しいコースケをどうにか自分のものにしたくて必死で誘惑する。もしかしたら「所詮男(女)なんて」と異性を下に見ているのはヨリだけじゃなく、なーちゃんも同じだったのかもしれない。男性にだって意思がある。そんな当たり前のことを、コースケは自分の欲望に抗いなーちゃんに証明した。

ヨリもまた、女性が自分の欲望を満たすためのモノではなく、心を持った人間であることに気づくきっかけをスミレから与えられる。少なからずスミレに惹かれていたヨリは、サブスク彼女のサービスが終了しても、この関係は続くと信じて疑わなかった。しかし、スミレに「(それは)ない」とはっきり別れを告げられてしまう。そのままホテルに取り残され、初めてヨリは散々やることだけやって後は放置してきたなーちゃんの気持ちに気づくのだった。

なーちゃんの家に向かい、今までのことを謝罪した上で関係を終わらせるヨリ。1日に2人の男性からフラれ呆然とするなーちゃんの悲しみが、寺本莉緒の憂いを帯びた芝居を通じて痛いほどに伝わってくる。愛されたいという気持ちが強いゆえに暴走してしまうなーちゃん。弱々しさとある種の怖さも感じさせる演技に、寺本の手腕が光る第7話だった。

次週放送される第8話でついに最終回を迎える本作。まだ着地が見えない男女5人の恋愛模様に、SNSでは「ヨリくんもトモもなーちゃんも、みんな純粋すぎる故に拗らせてしまっているのだなあ」「なーちゃんこれまでちょっと出演回数少なかったけど本領発揮してきたな」「スミレさん会わないなんて言わないでヨリくんと会って欲しいよ」などの声がみられた。

■文/苫とり子

「サブスク彼女」第7話が放送