中6日の間隔でいけば、佐々木朗の次回登板は25日の日本ハム戦だが…(C)Getty Images

 ロッテ佐々木朗希が今季ワーストの4失点を喫した。6月18日に敵地の横浜スタジアムで行われたDeNAとの交流戦に先発登板したが、敵軍主砲の牧秀悟に4回の同点打、6回の勝ち越し打を含む3安打2打点を許したほか、同じ6回に宮崎敏郎にも今季初被弾となる13号2ランを右翼席最前列のポール付近にたたき込まれた。

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 自身のワーストは2022年の5失点で8月3日と、同19日の楽天戦の2試合で記録した。この日のDeNA戦では6回を投げ終えたところで96球、被安打6、7奪三振で降板。6月4日の阪神戦(甲子園)以来の黒星となる今季2敗目を喫した。

「先制してもらいましたが、逆転されてしまい申し訳ないです」。降板直後に球団からコメントが発表されたが、報道陣への対応はなかった。

 日本のメディアによると吉井理人監督は「メキシコ戦で失敗して気づいたはずなんですけれど、また失敗しちゃいましたね」と試合後に語ったという。メキシコ戦とは3月に行われた第5回WBCの準決勝で侍ジャパンの一員として先発登板。指揮官は投手コーチとして介在していた。その時は高めに浮いたフォークを左中間に運ばれた。

 DeNA戦で牧に打たれた左前への同点打も追い込んだ後に投げた甘く入ったフォークを捉えられた。開幕から無双状態だったが、右手中指にできたマメの影響で5月に出場選手登録を抹消され、復帰後の4試合はいずれも失点。抹消前に0・84だった防御率は1・89まで悪化した。

 敗因としてDeNA打線に粘られ、1人の打者に球数を多く投げさせられた点が指摘されている。2回に宮崎に8球、4回には1番の関根に10球、6回には佐野が9球をそれぞれ粘り、2回以外は失点につながった。球団関係者によると、佐々木朗は意外にせっかちな性格で、早めに勝負を仕掛けたいタイプという。

 そのため粘られてリズムを崩すと球が甘く入ることもあり、6回も佐野を9球目のストレートで空振り三振に仕留めた後は牧に初球のスライダーを左中間に運ばれて勝ち越しの適時三塁打を献上。続く宮崎にも初球の外角高めへの159キロのストレートを捉えられ、右翼席に吸い込まれる2点本塁打を打たれた。

 この日でチームは交流戦の全日程を消化。19日から4日間試合がなく、パ・リーグのペナントレースが再開するにあたって先発投手陣のローテが再編される可能性は十分だ。

 佐々木朗も通常の中6日の間隔でいけば、次回登板は25日の日本ハム戦(ZOZOマリン)と見られるが、ダルビッシュ有パドレス)や大谷翔平エンゼルス)を日本ハムの投手コーチ時代に育てた手腕のある名伯楽の吉井監督だけに、いったん登板間隔を少し空けて再調整させることも考えられる。

 ロッテの先発陣は種市、美馬ら好調な投手が控える。あえて佐々木朗ばかりに頼る必要もないようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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