ベルギー代表の守護神であるレアル・マドリード所属のGKティボー・クルトワが、同国代表を率いるドメニコ・テデスコ監督による「帯同拒否」発言に失望しているようだ。19日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 現在、EURO2024予選に臨んでいるベルギー代表は、17日にオーストリア代表と対戦。試合は1-1の引き分けに終わったが、この一戦に先発したGKクルトワが試合後にチームを離脱した。その理由について、テデスコ監督は“代理主将”に関する決定が要因であると説明。本来の主将であるマンチェスター・CのMFケヴィン・デ・ブライネが負傷離脱したことを受け、「皆んなで話し合い、ロメル(ルカク)がオーストリア戦、ティボーがエストニア戦でキャプテンを務めることを決めた」ものの、「試合後にクルトワが私との会話を求め、失望して気分を害したので帰国すると告げられた」と主張した。

 また、「私は最初から、彼に相応しい感謝の気持ちを示そうとした。私の目には、彼は世界最高のGKに映る。GKとしてだけでなく、人間としても愛している。ショックを受けている」と、クルトワへの誠意を示しながら、同選手の判断に衝撃を受けているとの胸中を明かした。

 しかし、クルトワはテデスコ監督の発言内容を否定している。自身のウェブサイトで、テデスコ監督のコメントを「個人的な会話の、部分的で主観的な説明」と語り、「その会話で私は、直接的なメリットのためではなく、一般的なメリットを求めつつ、過去にもあった問題を避けるための説明と決断を求めただけだ」と主張。「代表のキャプテンは、気まぐれでも無作為でもなく、彼が選ぶべきで、それを伝えようとしたが、その目的は達成できなかった」と続けた。

 そして、チームを離れた理由については「右ひざに問題があって検査を受けた。クラブと代表のメディカルチームが連絡を取り合い、トレーニングキャンプから離れる決断に至った」と釈明している。

 昨年末のワールドカップでグループリーグ敗退という結果に終わり、新たにベルギー代表を率いることになったイタリア指揮官と守護神による“食い違い”は、今後のチームにどのような影響を与えることになるのだろうか。

ベルギー代表を離脱したクルトワ [写真]=Getty Images